期待資産額に届いていますか?|「年齢×0.112×所得」の衝撃

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金持ちになったのか

もうだいぶ前になりますが、「なぜ、この人たちは金持ちになったのか」(トマス・J・スタンリー著:日経ビジネス文庫)という本を読みました。

ミリオネアの生き方・考え方を調査し、成功の秘訣をまとめたあたりは、ナポレオン・ヒルの古典「思考は現実化する」を彷彿させるような気がしましたが、どちらも、人間的に魅力のある金持ちを目指すよりも、お金は持っているが人間的に魅力のない人を目指す方が難しいんだとつくづく実感した本でした。

本の所感については、別途書評のカテゴリーで書いていきたいと考えていますが、この本の中で、「期待資産額の公式」というのがあります。今日は、この部分に特化して書いていきたいと思います^^

〇あまり現実的でないように感じる期待資産額の公式


トマス・J・スタンリー氏は、年齢と収入という、総資産に影響する2つのパラメータから、その人に期待される資産の目安となる公式を考えました。これが、以下の公式です。

期待資産額=年齢×0.112×所得

トマス・J・スタンリー氏の別の著書「となりの億万長者」では、0.112の部分が0.1になっているらしいですが、まあ大差ないところでしょう。

0.112の係数はどのように出したのかよくわかりませんが、年齢と収入が増えれば、多くの資産を多く持つことができるはずだ、という前提で作られているのは納得できます。

ただ、この計算式、実際に計算してみるとわかるのですが、かなり現実的に厳しいことがわかります。具体的に数値を当てはめて考えてみます。

・20歳、年収300万円 →672万円

・30歳、年収500万円 →1680万円

・35歳、年収600万円 →2352万円

・45歳、年収1000万円 →5040万円

・55歳、年収1500万円 →9240万円

この年収は、源泉徴収前の数字みたいです。もちろん、誰かから譲り受けた資産は含みません。そうなると、若い人ほど「そんなに貯まるわけないじゃないか!!」と思うような数字です《゚Д゚》

特に20歳、年収300万円の人が700万近くも資産を持っているというのは、ほぼ不可能と言っていいでしょう。30歳の例にとっても同様です。かなり厳しい数字と言わざると得ません。

しかも、この本では期待資産額の2倍あれば蓄財優等生、半分しか持たないなら蓄財劣等生ということらしいです。

35歳、年収600万円で4700万円持って、ようやく「優秀だね」と言われるわけです。厳しすぎるだろΣ(゚д゚lll)

まあ、日米の環境の差というのもあると思いますが、この公式で計算すると、「俺はなんて浪費家なんだろう゚(゚´Д`゚)゚」と、少し落ち込みたくなります(ちなみに、自分も期待資産額の2倍には程遠い数字です)。

〇貯金だけでは厳しい数字


自分に限らず、実際に期待資産額の2倍ぐらいの数字を持っている人はほとんどいないと思います。せいぜい、期待資産額に近いお金を持っていれば堅実な方だと思います。

ただ、自分がどれほど散財せずに堅実にお金を貯めているのかを見る、良い目安ではないかと思っています。何かと散財して、投資もしないでは、おそらくすぐに蓄財劣等生になってしまいます。

また、別記事で夫婦ともに85歳まで生きる人が、60歳で会社を辞めた場合、老後に必要となる額は8,000万円程度、ゆとりある生活を送るなら1億1000万円と書きましたが、退職金が出ない&年金破綻を前提で出した数字とは言え、この期待資産額の公式は、「厳しすぎる」とかは言っていられないような気がします。

【参考記事】老後の生活費はいくら必要?|会社の給料だけで老後に備える危険性

少なくとも、国や会社に頼らない、経済的に自由な生き方を目指すには、期待資産額の公式は、案外重要な目安だと思います。

もちろん貯金だけでは期待資産額に到達するのは厳しいと思います。若い時からお金の勉強や情報源を収集して、実践しないと無理でしょう。日本人の普通預金好きの習性は、根本から疑った方が良いと思います。

収入だけ増えて、派手な生活をしてお金が貯まらないでは、いずれ疲れ果ててしまうと思います。「金持ちほどケチ」と言いますが、浪費が嫌いなだけだと思います。

どんな環境下でも経済難で苦しむことがないよう、お金にシビアなことは、とても良いことだと思います。

守銭奴という言葉がありますが、これは目的に適うことにもお金を使わない人、人に対してお金を使わない人、つまり自己投資をしない人だと思います。浪費をしないだけなのに、「お前はケチだ」と言われれば付き合う人や環境を変えるタイミングかもしれません。

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