個人金融資産の内訳を国際比較する|「日本人の現金預金好き」は本当か?

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老後の貯蓄

「日本人は現金預金が好きだ」こういった言葉をよく聞きます。本来であれば資産を守るためには財産三分法を原則にして、うまく資産を分散させる方が良いと思いますが、周囲を見渡しても現金第一主義の人が結構多い気がします。

自分ぐらいの年齢(30代半ば)でも資産運用に着手していない人は大勢いる感じがします。「投資は怖い」「無駄にお金を失いたくない」」という意識が強いためか、全然投資しない、関心すら寄せない人はかなり多いような感じがします。

このように実感として日本人の現金預金好きを感じるところですが、実際にデータとしてどうなのか。実は毎年個人金融資産の内訳の国際比較については統計が出ているので、見てみることにしました。ちなみに、自分は総資産の現金の割合はそんなに多くないです。

〇2014年の個人金融資産の内訳


2014年末に日銀の調査統計局が作ったデータをソースにして、日本、アメリカ、ヨーロッパの個人金融資産の内訳を見てみます。

個人金融資産

結果としては、ああやっぱりなあと思う結果です。現金・預金の割合はアメリカ13.1%、ユーロ圏が34.5%に対して日本が53.5%と圧倒的に高いです。

一方で株式や投資信託の割合が欧米と比較して低いことを考えると、データとしてみても日本人の現金預金好きはある程度証明されているような気がします。

良いとか悪いとかいう話ではないですが、きちんとファイナンシャル・リテラシーを身に付けてこの結果かどうかは少し疑問に感じます。

〇日本人の金融資産の利回りが1%でも増えれば……


いつから日本人はこんなに現金が大好きになったのかわかりませんが、デフレの時期であればまだ現金に預金することが良かったのかもしれませんが、今は賃金が上がらずに物価が上がるスタグフレーションに近い状態になってしまっています。

これで現金を預金していっても、物価が上昇して価値が目減りすることは、他の記事でも言っているところですが、この状態で現金を溜め込んでも、ただの苦行と感じています。

養育費とか老後の生活資金とか、将来必要となるお金については、お金の勉強をしっかりして、少しでも効率的に増やしていきたいところです。このまま現金を溜め込んでしまっては、いつになっても経済的不安から解放されることはないでしょう。

日本の個人金融資産は1650兆円もありますから、日本人がもっとお金の勉強をして、個人金融資産の利回りが1%でも増えれば、経済に与える効果は結構でかいような気がします。利回り1%でも16兆円なので……。

〇【大原則】資産運用はしっかりと勉強してから始める


よくよく話を聞いてみると、全員が現金預金というわけではないようです。ただ、その内訳を聞くと結構愕然とするのが多いです。

その代表的な例が会社の持株会です。最近のアベノミクスで持ち株を持っていた人は、得したか損失を取り返したかの人が多いと思いますが、持ち株の割合が多い人は、今のうちに少しずつ売却していった方が良いと思います。

ここまで持ち株に疑問を感じるのは、経営が悪化すれば給料も資産もガタ落ち、会社と無理心中してしまうからです。

他にも今のインフレ目標(2%)を下回るような個人年金保険とか、あまり資産運用としては魅力のない金融商品に手を出しているケースを多く見ます。

このようなものに手を出してしまうのは、それが身近な情報だからです。だいたい何となくそういうのに手を出している人は、あまり金融知識がありません。とりあえず会社が勧めるから安心みたいな。未だにそういう人が多いのが現実な気がしています。

自己啓発は実践が99%、投資は知識が99%と思っています。資金が十分にない20代の人は、貯蓄と並行してお金の勉強を。これから投資をしようとしながら情報源に自信がない人は、とりあえず情報集めから。

お金の勉強というのは、別に投資の話だけではないですが、経済的不安から解放されるにはファイナンシャル・リテラシーを高めていく努力が必須と思います。

あと、投資する際は漠然と将来に不安を感じるだけではなく、ある程度将来像をしっかりと立ててから行う方が良いと思います。人によって必要なお金とか、必要になる時期とかは違ってくるので。ワクワクするような将来像を立てながら、お金の勉強をしていくと楽しくなるでしょうし、詐欺に遭う確率も減っていくと思います。

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