投資を勉強するには言うまでもなく経済の知識が必要です。でも、大学の経済学部で習うようなアカデミックな知識や微分方程式の解法まで理解する必要はない。
そんなアカデミックなことを理解するまで投資を躊躇していたら、一生投資しないまま終わってしまいます。それでお金に困らなければ良いですが、そういう人はおそらく少数派でしょう。別記事で書いた通り、今は投資しない方が怖い世の中になっています。
でも、最低限知っておきたい経済用語というのがあります。そういうのを知っておかないと、投資の本を読んだりセミナーに行っても理解できない部分が出てきます。
でも、なかには恥ずかしくて今さら聞きづらい用語もあります。その中の一つがGDPだと思います。自分も数年前まで「国内総生産」の略ということすら知りませんでした。
「GDPを上方修正(下方修正)」
「東京オリンピックまでにGDPを〇〇%に」
「対GDP債務比率が日本は断トツ世界一」
テレビのニュースでよく飛び交う言葉ですが、なぜこんなにGDPという言葉がこんなに飛び交っているのか、経済ニュースで重要視されているのか、そもそもGDPの概要が分からなければ理解できません。
ということで、今さら聞けない経済用語シリーズ第一弾はGDPの話です。できる限りわかりやすく書きたいと思います。
〇日本人がトータルでいくら儲けたか
直訳すると、「国内で新たに生産されたサービスや商品の付加価値の総額」という意味です。でも、これだけの説明では全然ピンと来ないです。これでは知っているようで実は知らない人も多いでしょう。どうしてこう、難しく表現するかなあ。
GDPのだいたいの意味は、「日本人がトータルでいくら儲けたか」を示す指標という理解で良いと思います。GDPが高ければそれだけその国の人がそれだけ稼いだということになります。
もう1つ出てくるパラメータのに、「1人当たりGDP」という言葉がありますが、これは国民1人当たりがどれだけ儲かっているかを示す指標になります。
GDPは日本はアメリカ、中国に続いて第3位ですが、1人当たりのGDPは24位です(2014年、名目GDP、米ドル換算、出典:世界経済のネタ帳)。
1人当たりに換算すると、決して儲けている国とは言えないことがわかります。ちなみに1位はルクセンブルク、2位はノルウエー、3位はカタールです。
アメリカは10位、貧富の差が激しい印象のある中国は80位です。3位のカタールが億万長者の比率が世界一(なんと7人に1人)である事実がある通り、国民が裕福かどうか実感する指標としては、GDPよりは1人当たりGDPになるのかなあと思います。
ちなみに物価を加味したGDPが実質GDP、加味しないGDPが名目GDPです。GDPが上がっても、物価が上がったら相対的に儲けていないことになります。そういうのを図る上で出てくるのが実質GDPです。
今後日本は物価が上がってくることが考えられますから、この実質GDPという数字が重要になってくるような気がします。
〇さらに詳しく解説
GDPはトータルの儲け、つまり売上に経費を引いた額のトータルです。
そういうことで、GDPのイメージを説明するのに、よく以下のような例え話が出てきます。
私がカフェで500円のりんごジュースを飲んだ。
カフェはりんごを250円で農家から仕入れている。
農家は100円でタネを仕入れている。
GDPの意味は上のとおりですから、この場合のGDPは(500-250)+(250-100)=350円という感じになります。
このりんごジュースが10,000杯売れれば、350万円がトータルの儲けになります。この儲けの額がどんどん増えていけば、当然カフェの従業員の給料や農家の収入が上がります。(内部留保とか、そういう話は別にして)
よって、GDPが上がっていけば、多少なりとも給料が上がりやすくなります。アベノミクスで給料が上がったという実感の持っている人はほとんどいないと思いますが……。
つまり、乱暴な言い方すれば、1人当たりのGDPが10%上がれば、国民の給料が10%アップするようなイメージです。