先日、海賊と呼ばれた男の映画版を観に行きましたので感想を書きたいと思います。原作を読んだのが3年ほど前。めちゃくちゃ熱い気持ちになったのを覚えていますが、2回読んだりしていませんでした。
どんな名著でも、3年も経てば内容を忘れてしまいます。そのタイミングで映画を見るのも良いかなと思ったので、観てきました。
■原作で描かれた人物像は再現
感想としては、やや時系列が前後していて、原作を読んでいない人は混乱するのではないかと思ったのですが(原作は時系列通りに話が進んでいる)、原作で描かれた主人公の人物像は再現されていたので、原作の世界観は損なわれていないと感じました。
原作で描かれているエピソードが削られているのは、仕方ないかと思いましたが、名作だけに、もう少し長く観たかった感じがしました。(それでも155分の大作ですが)
海賊とよばれた男で描かれた、主人公のリーダーシップと大胆な決断力と勇気、社員を愛する心、社員の愛社精神は、どんなビジネス書よりも勉強になると思ったのですが、これらは原作でも忠実に再現していました。
■熱い心を取り戻したい人はぜひ
舞台が大正時代~戦後の日本を描いており、現代の日本社会の価値観とは、かなり相違のあるところもありますが、それでも仕事に対する熱い思いを取り戻したい人は、ぜひ観た方が良いと思います。
自分は、来年会社を辞めてフリーランスになりますが(←確定)、一匹狼で生きようとしている自分にも学べるところは多い。
ざっくり言ってしまうと、会社員とフリーランスの違いは、組織の中でチームワークを発揮するか、自分でコミュニティを形成してチームを形成していくかの違いなので、必要とされるソフトスキルは共通するものもあります。
主人公の勇気と覚悟、仲間に対する思いやり、ブレない軸なんかは、むしろ会社員よりもフリーランスの方に求められる姿勢かもしれません。
少なくとも、映画や原作を見て「これ、ブラック企業じゃん」と思った人はいるでしょうか?政治的な圧力など、想像を絶する困難はありますが、あの社員が1つになった感じは、羨ましくもあります。組織に属したくない自分でもそう感じたくらいです。
■もう1度原作を読みたくなる
冒頭にも少し書きましたが、映画版は戦後~日章丸事件を中心に描かれていますが、大正時代の箇所と時系列が前後して描かれており、原作を読んでいない人は少し混乱したかもしれません。
でも、おそらく原作を読んでいない人は、すぐにでも読みたくなるんじゃないかと思いました。もう少し詳しく主人公の人生を知りたい。そう感じた人は多いのではないでしょうか?
原作の書評は以下に書いています。
【関連記事】海賊と呼ばれた男|出光の看板を見て思い出す創業者の生き様
作品で描かれていた戦後と違って、いまは何でも手に入る時代。何となく生きようと思えば、悶々としながらでも生きていくことはできます。
ただ、生存すら脅かされていた当時に比べると、いまは精神が病みやすくなっています。自分がどう生きたいか、誰と生きたいかを考えながら鑑賞しても良いかもしれません。