就業不能保険はうつ病の休職に必要なのか?健康保険の観点から分析してみた

シェアする

就業不能保険2

就業不能保険という保険があります。病気やケガをして長期間休職するなど働けなくなった場合に給付金を受け取れるというタイプの保険です(うつ病も含む場合あり)。損害保険会社では所得補償保険という名前の、似た保障内容の保険があります。保証期間等の違いがあるようですね。

治療に必要なお金を賄うのが医療保険であるのに対し、就業不能保険は働けなくなって収入が滞った分を賄う保険というイメージでしょうか。

医療保険に関する記事で、高額療養費制度があるから大半の人は医療保険は不要と書きましたが、この就業不能保険はどうでしょう?

実はこの保険、うつ病のリスクも考慮して一時期入ろうかどうか検討したこともありますが、よくよく調べたら必要性を感じなかったので結局加入していません。今回は就業不能保険や所得補償保険について、思うところを書いてみました。

※リストラされた時に保障されるのではないか、と期待できるような名前の保険ですが、あくまで私傷病に対する保障なので、当然リストラでは給付はされません。保険の名前のネーミングって少しややこしいですね。

〇まずは健康保険を確認

医療保険の時は、高額療養費制度のことや傷病手当金とかも勘案して加入を考える必要がありますが、この就業不能保険も同様です。

就業不能保険を検討するうえで、まず把握しなければならないのは、傷病手当金の保障期間が最長1年半であること、給付金額が標準報酬日額の2/3に相当する額であることです。

さらに企業によっては「月収の7~8割まで保障する」とか、「最大2年保障する」とか、保証を上乗せしているので、これも調べる必要があります。

〇うつ病でも傷病手当金はもらえる

ここからが本題です。そもそも1年半も働けなくなるような事態って何でしょう?皆さんの会社で、休職している人の大半の理由はうつ病ではないでしょうか?たまにガンや白血病などで長期間働けないケースも聞きますが、うつ病に比べたら全然珍しいケースだと思います。

また、20~30代の死因に関する記事にも書いたとおり、若い世代の死因のトップは自殺なので、長期間休職するリスクとしては、うつ病さえ考慮に入れておけば、まず問題ないと思います。

そのうつ病ですが、診断書を貰えれば上記の傷病手当金が貰えます。自分はうつ病と傷病手当金の関係を考えた時点で就業不能保険に入る気は全然なくなりました。正直これだけもらえれば充分です。

〇就業不能保険(所得補償保険)はうつ病に有効か?

そもそも就業不能保険には、うつ病のようなストレス性疾患に有効なタイプと、そうでないタイプで保険会社によって違うみたいです。日立キャピタル損害保険のようにストレス性疾患に対する特約の販売が中止されたことは、少し前に話題になりました。

また、ストレス性疾患に対する保障も、障害基礎年金の支給要件に該当とか、入院した場合とか条件付の場合がありますから要注意です。

個人的には、今後もうつ病に羅患する人は増えていくでしょうから、保険会社はストレス性疾患に対する保障にはどんどん消極的になっていくと思っています。なるべく保険会社は給付金を払いたくないでしょうから。

どちらにしろ、上記の傷病手当金の理由から、うつ病対策に就業不能保険に入る必要性はないと考えます。

※収入保障保険とは全然違う

ちょっと蛇足ですが、似たようなニュアンスの名前の保険に、収入保障保険という名前の保険があります。勘違いしやすいですが、就業不能保険とは全然違う内容の保険です。

収入保障保険は掛け捨て型の定期保険で、保障額が年々減っていく逓減定期保険と同様の性質を持つ保険です。一括で保険金を受け取るのが逓減定期保険で、年金のように毎月少しずつ受け取るのが収入保障保険です。

シェアする

フォローする

この記事をお届けした
解放デビューの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

スポンサーリンク