【書評】陽だまりの彼女|切ない恋愛小説を1年ぶりに再読してみた

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E「陽だまりの彼女」を読んだのは、たしか読んだのは映画化される前なので1年以上前になります。恋愛小説ながら精巧に伏線を使った小説なので、読んでいない人向きにネタバレなことは書けないし、この小説の本当のジャンルはなんだろう、ということを書くと、それもネタバレになってしまうので、少し気を付けて感想を書きたいと思います。

 

〇こんな切ない恋愛小説が書きたい


自分が読後に思った感想がまさにこれでした。「そうか、そういうオチだったのか」と思う反面、めちゃくちゃ切ない気持ちになりました。

たしか「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」という謳い文句で販促した小説だったと記憶していますが、たしかに自分のような男子が読んでて胸キュンとなる、暖かくも少し切ないラブストーリー。男子だけでなく、女子も結構同じような気持ちになると思いますが、

こういう切なくて、決してハッピーエンドとは言えない終わり方、かなり好きです。正直、こういう恋愛小説を書きたいと思いました。結末まで読んだ時に感じたこの気持ち、そうそう、自分はこういう小説を書きたいんだ!!素直にそう思いました。

文章も作品のテイストに合わせて優しいさらさらした文体で書かれているので、結構スラスラ読めると思います。前述したように伏線も綿密に貼られているので、恋愛小説としては一気に読める部類だと思います。

表紙に書いてあるあらすじが、かなりベタ甘な恋愛系を連想させる書き方のため、一部の人には拒絶反応もあるかもしれませんが、そんなにベタ甘な感じはしなかったです。

これを女性の作家さんが書けば少しベタ甘になったかもしれませんが、男性が書いたことで、だいぶ甘さ控えめになった、というのもあるかもしれませんが。どちらにしろ、かなり読みやすい文章です。(ベタ甘でないから、男性に読んでほしい恋愛小説という謳い文句になったのかもしれません)

〇こんな恋愛をもう一度したい


こんな恋愛小説を書きたいと思った反面、こんな恋愛をしたいとも思った小説でもあります。まあ、登場人物の2人がかなりラブラブだったのもありますが、

決して器用でもはないけれど、一生懸命に恋しようという姿勢を2人から感じ取れる描写はかなり好感の高いものでした。

中学の時に1度恋心を抱くが、登場人物の転校で関係が途絶え、大人になって再会するという設定はベタと言えばベタですが、個人的にはこのように長いスパンで書く恋愛系はかなり好きです。登場人物の純粋ぶりが伝わるのが多いので。この小説も、かなり登場人物が純粋で一生懸命です。

〇賛否ある結末、個人的には賛成


ジャンルをも変えてしまうような結末に賛否があると思います。「この結末は読めなかったし、感動した」という人も出てくれば、「なんだよそのオチかよ」という人も出るかもしれません。

ただ、個人的にはこの終わり方には賛成です。読んだ人ならわかると思いますが、賛否出てくるリスクをはらんだ結末です。

それでも読後の感想として、素直に良かったと言えるのは、ハッピーエンドとは言えないのに、どこか心の暖まる作品だったこと。登場人物の2人はやっぱり愛し合って良かったんだ、と思えたことにあると思います。

ネタバレには気を付けないといけない作品なので、感想はこれくらいにしますが、もし1回読んで感銘受けた人は、もう1度読んでみても、伏線に気付いたりして違った楽しみ方ができると思います。自分も勉強の意味で、2回目はそういう視点で読みました。

映画版ですが、ああ、この役は上野樹里はぴったりだろうなあ、と思いつつまだ見ていなかったので、近いうちDVDをレンタルして、もし良かったら感想を書きたいと思います^^

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