「いつか幸せになりたい」「何年後かに金持ちになりたい」「来年ぐらいには誰か見つけて結婚したい」このように、人生の目標を持つ人は、とても多いと思います。
自分もそうです。「年内にブログを50万PVにする」「来年までに小説を1冊出版する」「2年後に総資産5000万円にする」「5年後に情熱大陸に出演する」など、今は手に入っていないことが手に入るように目標設定しています。
しかし、この「いつか幸せになりたい」と願うだけでは、その願いは幻に終わる。「幸せになりたい」ことが夢なのではなく、「幸せになる」ことが夢ではないか。「神さまとのおしゃべり」(さとうみつろう著、ワニブックス)P428~447を読んで、そのようにも感じました。
今回、この「神さまとのおしゃべり」に書いてあったことの感想を書きたいと思います。
■明日3兆円が手に入る?
主人公のみつろうが、神さまに「願いを1つだけ叶えてあげようか」と言われて、「明日3兆円が手に入る」と言います。
3兆円なんて、国家予算の3%もの額を簡単に手に入れられるわけないのですが、神さまは簡単に「じゃあ叶えてあげる」と言います。
しかし、なぜ神さまはそのように言ったか。明日も「明日3兆円が手に入る」という願いが叶うからです。つまり、ずっと「手に入れたい」と思い続けることができるということです。
あれ?なんかおかしくないですか?そういうことです。結局「いつか〇〇したい」と思い続ける自分の状態が続くだけで、結局夢が叶わないのです。
観念的な話でとっつきづらいかもしれませんが、「いつか〇〇したい」と願っているうちは、その願いはずっと幻に終わってしまうとのことです。
これは「明日3兆円手に入る」と願っても、「3時間後に手に入る」「1秒後に手に入る」「0.000000000001秒後に手に入る」と言っても、同じことということです。
ずっと「なりたい」と願う自分の状態が叶うだけで、結局叶えることができない。
■ないものよりも現在あるものに焦点を
「金持ちになりたい」とつぶやくと、「金持ちじゃない」ことに焦点がいってしまい、手に入れられない理由を脳が勝手に探し出してしまうそうです。
・3兆円がない
・豪邸がない
・外車がない
不足を見れば、永遠になりたいと願うだけで、永遠に実現しない。そんな夢とか願望、全然楽しくないですよね。これでは夢とか願望、目標とは言えない。
「ああだったらいいのに」と表現してしまうとわかりやすいかもしれません。自分でコントロールして実現できることをスルーして、ないことに焦点を向かわせ、永遠に手に入らないマインドを作り上げてしまうのです。
では、どうすればいいか。「幸せになりたい」のであれば、「今、幸せである」とその場で願うことです。
ちょっと気分が落ち込んでいるとき、物事がうまくいっていないときはなかなか難しいかもしれません。心の持ちようではどうにもならないかもしれません。
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しかし、少しだけ心の余裕ができたら、例えば「金持ちである」「いま総資産何千万円ある」と、実際の総資産額をつぶやいて、その理由を考えてみてはどうか、ということです。
【いま総資産が何千万円かある理由】
・給料とボーナスが貰えているから
・投資して利回りが出ているから
・ブログでの収入が伸びているから
・過去に印税をもらったから
こんな感じで現在お金がある理由を探すようになります。そう考えれば、これからどのようにして資産を増やしていこうか、具体的な計画ができて、「2年後に総資産5000万円にする」とか、そういう目標を立てやすいのではないでしょうか?
■神さまとのおしゃべりの総評
神さまとのおしゃべりは500ページくらいの分厚い本ですが、対話形式の小説になっており、時折イラストも挿入されているので、かなり読みやすいです。
ただ、内容は観念的で、少しスピリチュアル。なので、個人的にはとっつきにくいテーマではありました。もし、読みやすい小説になっておらず、一般的なビジネス書の構成であれば、間違いなく挫折していました。
しかし、読んでいる最中はピンと来なくても、あとでじわじわやってきます。「そういえば、神さまとのおしゃべりって、こういうことも書いていたよな」と。そんな不思議な感覚になる本です。
とりあえず、ピンと来なくても、最後まで読んでみたほうが良いかもしれません。