世界から猫が消えたなら|本屋大賞ノミネート作品の感想

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今回紹介する本は、過去に本屋大賞にもノミネートされ、映画化もされた「世界から猫が消えたなら」(川村元気著、小学館文庫)。友達がfacebookで紹介していたのを見て、即購入して年末に読んだ本です。

Facebookだと、どうしてもビジネス書や自己啓発の感想を書く人が多いので(これはこれで好きですが)、facebookで誰かが比較的少ない小説の感想を書いていれば、極力買って読むようにしています。

〇まずは断捨離について、いろいろ考えさせられる


どこか優しい気持ちになるような小説ですが、本屋大賞にノミネートしたというだけあり、読みやすくて取っ付き易い。全体的に文章が優しい感じがして、読んでていて心地の良い小説です。しかも、どこか自己啓発書的な要素もあり、いろいろ考えさせられる本でした。

主人公の30歳の男子が、突然脳腫瘍で余命わずかであることを宣告されるものの、悪魔と名乗る、主人公そっくりの男が出てきて「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは1日だけ命を得る」と言われ、電話、映画、時計などを次々と消していく。

このあらすじからも想像が付くように、最初は断捨離について考えされられます。電話、時計……、無いととても不便だけど、じゃあ、無いからって生きていけないのか?無いからこそ見えてくる世界もあるのではないか?そして、それは結構生きやすい、自由な世界なのかもしれない。そんなことを考えさせられました。

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〇自分は何のために生きているかを考えさせられる


後半は、一体自分が何のために生きているか、もうすぐ死ぬという時に、何を考えるのか、今までの人生で納得できるのかを考えさせられます。この小説が自己啓発的な要素があると感じるのはこのためです。

「明日から死ぬかもしれないと思う人間は、限られている時間を目いっぱい生きるんだ」そんなことを言う人がいる。でもそれは嘘だと思う。

この1文には、実は少し納得しました。自分も同じようなセリフに、少し違和感を覚えていたんです。おそらく、この本に書かれているように、明日死ぬとわかって、全力で生きることができるとは思えないです。たぶん、この本に書かれているように、自分の中で、ちょうど良い折り合いを付けていくのだと思います。

そうは言ってもやっぱり良い人生だったと思いたい。今の自分でよかった。せめてそう自分で自分を認めてあげられるような人生にしたい。少なくとも、生きている間は幸福でいたい。他人の喜ぶ顔が見たい。だから生きている。

自分は、今まで出会った人のために、何ができたのか、何を与えることができたのか、これからできることは何だろうか。静かなトーンでそんなことを考えさせられる作品でした。(この本で縛り読書会、縛りビブリオバトルのようなものがあれば、参加してみたい♪)

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