最後の2行で全てが覆るイニシエーションラブの感想【ネタバレの心配なし】

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あらすじだけ見たら、どう考えてもミステリーではなくベタなラブストーリー。ラブサスペンスの要素があるのかと思えば、どうやらそうでもなさそう。

「この小説は一体何なんだ?よくわからん。でも、売れているみたいだし、友達も読んで絶賛していたから読んでみよう」

そう思って、このイニシエーションラブを読んでみました。感想としては、最後の2行を見て、

「そうか、その手があったか」

「よくこんなこと考えたな」

「見事にやられた」

という感じでしょうか。一種のパズルを解こうとしていて、どうしても答えがわからずに見た時に感じる爽快感のようなものを覚えます。たしかに最後まで読めばミステリーとカテゴライズされるのも納得です。

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〇見事なトリック


たしかにこの小説は、時系列のトリックなどミステリーのテクニックを使って読者を驚愕の最後の2行に導いています。

これまで最後の最後でどんでん返しを見せる小説は多かったですが、この小説は登場人物のキャラクター、ストーリーの解釈までガラリと変えてしまいます。もちろん他にこのような小説が開発されたことは今までなかったように思えます。

読者の登場人物に対する思い入れまで逆転させる。多少実験的に描かれた感じもしますが、これは見事です。

たしかに2度読みたくなります。「おい、一体どういうことだ!!」と真相を確かめたくなるのです。感動とか共感とか得たわけではないです。パズルで頭を悩ませたい人にはピッタリの小説です。

おそらくこの手の小説は誰も実現してこなかった、というより誰も思いつかなかったのだと思います。市場の狭い文芸の世界ですが、こういうエッジの立った小説を実現すれば、まだまだ大ヒットの余地はありそうです。そういう意味で、これから小説家を目指す人が読んでも参考になるかと思います。

〇賛否両論はあると思う


ある人は大絶賛する恋愛小説だと思うし、ある人は「ふーん、そうなんだあ」で終わってしまう小説でもあると思います。ようは賛否両論ありそうな内容。

というのも、小説に何を求めるかによって感想が違ってくると思います。本格的な恋愛小説を求めて、何か感動とか共感しようと期待した人は、その期待に固執してしまうと期待を大きく裏切られると思います。

というのも、80年代の静岡と東京を舞台ということを除けば、内容は恋愛小説のテンプレートのような感じでかなり凡庸な内容です。

ただ、おそらく作者はわざと平凡なストーリーにしていると思います。最後の2行を楽しんでもらうことを目的に作られているため、感動的に仕上げたり、複雑な恋愛模様を描いたり、様々な心情を描いてしまうとごちゃごちゃしてしまい、何が書きたいのかわからなくなってしまいます。

平凡な内容を運命付けられた小説と言ってもいいかもしれません。敢えて平凡でありきたりな男女の恋愛を描いたことで、最後まで読み切った読者を驚愕させたのは間違いないと思います。

どうやら2015年の5月に映画化されるようです(主演は松田翔太と前田敦子)。おそらく既に読んだ方は「どうやって作ったんだ?」と思うでしょう。

文章でしかできないと思われたトリックですが、これを映像化してどう再現していったか。他の映画とは全然違う楽しみ方ができそうです。なんだかんだで観に行くと思います。

まだ読んだことのない方へ。ネットで検索すると結構ネタバレに繋がる書き込みがありますが、これは見てはいけません。答えを知った瞬間、楽しみが一気に減ってしまいます。とりあえず何も知らない状態で読んでみるのが一番です。

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