最近話題の、部活の顧問をしている学校の先生の長時間労働問題。ブラック企業もびっくりするほどのサービス残業、休みなしの労働をさせられている学校の先生ですが、
そもそもの発端として、なぜ未だに部活(特に中学)は強制的に入部させられる文化が根強いのでしょうか?今回はその辺について、思うところを書いていきたいと思います。
■僕の中学も強制入部
僕が卒業した中学も、なんらかの部活に強制的に入部しなくてはいけないというルールがありました。たまたま陸上の中距離をやりたかったので、僕は陸上部に入りましたが、もちろん存在しない部活もありました。
テニス部はあったけどバドミントン部はなかったし、柔道部はあったけどレスリング部はなかった。吹奏楽部はあったけど合唱部はなかった。そして、なぜかバレー部は女子だけでした。
正直言って、これらの部活をやりたい人はどうすれば良いのかな?そんなことをたまに考えていました。
まだ僕の中学は部活が豊富にあった方ですが、部活が野球部、バスケ部、バレー部しかなくて強制入部であれば、個人競技しかやりたくない僕なんかはゾッとしますね。団体競技なんて、自分にとっては生き地獄そのものなので。
部活を毎日まじめに一生懸命やっていれば、先生からの評価も高いですが、サボっていれば怒られる。クラス内でいじめがあるように、部活内でもいじめは存在する。ようは生徒にとっては授業の延長なのです。
僕はまだ好きな部活をやれていたので、抵抗はなかったですが、今思うと、この強制入部の文化、やっぱりおかしい。バドミントンやりたい人はどうするの?とかずっと思っていました。
ちなみに、僕の出身校が、これまた摩訶不思議で、1年だけ部活が強制入部で、2年になったら辞めていいことになっています。3年生の夏まで部活を続けた人は、おそらく全体の半分もいなかったような。
大学受験に専念できるように、ということなんですが、だったら1年生の頃から部活に入るか入らないかを自由にしてほしいと感じました。
■事の発端は1980年代
どうやら、部活の強制入部の歴史はそんなに古くなく、事の発端は1980年代だったそう。子供を試験だけで評価して良いのか?もっとスポーツとかで評価できないのか?という流れが出てきて、それで部活が重要視されてきたそうです。
「世の中勉強だけじゃないよね。もっといろんなことを認めてあげよう」ここまでなら理解できますが、なぜそこで部活だけが重要視されてしまったのか。
どっかのスポーツクラブじゃだめなんでしょうか。フィギュアスケートとかやりたい子供はどうすれば良いんでしょう?フィギュアスケート部なんか、大学に行かないと、なかなかないですよ。
それに、帰宅部ではだめなんでしょうか?家に帰って友達と遊んでいるだけではだめなんでしょうか?自宅に籠もって本とか読んだりしてはだめなんでしょうか?
もっと強く思うのは、帰宅してからビジネスや投資を始めるのはだめなんでしょうか?ようはお金の教育はしてはだめなのか?ということです。
部活だけを重要視した結果、部活を強制にして義務教育の延長みたいにしてしまい、結果として子供たちの可能性を阻害しているのです。
■先生もかわいそう
個人的には、部活の強制によって、将来の可能性を潰されてしまっている子供たちがかわいそうで仕方ないのですが、やはり、最近の報道にあるように、学校の先生もかわいそうです。
というのも、部活の顧問って、自分の得意競技をやらしてもらえるとは限らないんですよね。学生時代バスケ部のキャプテンであっても、剣道部の顧問になってしまうこともあります。もちろん、多少の希望は出すことはできるでしょうが。
生徒と一緒に汗を流すことに青春を感じられるうちは良いでしょうが、それによって、自分のプライベートがまったくない。休みが年間一桁なんてことになってしまうのは、大問題です。
そして、やはりかわいそうなのは、その疲れ果てた先生に教えてもらっている、部活やってる生徒です。部活の強制入部という歪んだ文化が、教師としてのやりがいも、生徒の自由も奪ってしまっています。
だからといって部活を全部なくせ、とは言えないですが。これだと甲子園もインターハイも高校サッカーも花園も全部撲滅しろ、という理論になってしまうので。
ただ、入部については自由にしてあげたほうが、先生も生徒も楽になるのは間違いないです。好きな人だけが部活をやっていればいい。マイナーなスポーツやりたければ、どこかのクラブを探せばいい。
いや、部活よりももっと大事なことがある。もっと別な行動をしていきたい人は、そうすればいい。そんな当たり前のことが認められないのは、考えてみれば摩訶不思議です。
■歪んだ文化に疑問を持った記事
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