GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2015年7~9月の運用益は、-7兆8899億円の大損。
我々日本国民が支払った年金のうち、8兆円もの金額を溶かしてしまった世界最大の機関投資家のGPIF。
この年金損失のニュースは、もう聞き飽きたというくらい頻繁に報道されていますが、今回も堂々とやらかしてくれた感じです。
中国の景気減退が一因としてあるわけですが、過去にも何回もやらかしているわけで、その後運用実績がちゃんと反動して取り戻しているかどうかは、ちょっとわからないですね。
ただでさえ公的年金は破綻の道を歩んでいるというのに、このまま損失を繰り返せば、さらに破綻が早くなってしまうかもしれません。
それにしても、なぜGPIFはこのように大損を繰り返すのでしょうか?
■運用のプロがいない
個人的に推測していることですが、運用委員に、運用のプロと呼べるような人がいないのではないかということです。
そういうと、こういう反論が聞こえてきそうです。
「何を言っているんだ!GPIFは直接運用していないぞ。運用会社に年金の運用を委託しているだけじゃないか」
たしかにそうなんですが、だからといって運用委員に金融知識がないとすれば、それは大問題です。しかも運用会社に委託しているってことは、10~20%くらいの手数料を支払っているわけだし。
■運用を任せる方も金融の勉強を
今回は、別に年金の運用をいっぱい出しやがって、この野郎!!と怒りをぶつけたいわけではありません。
怒る人も多いと思いますが、我々国民としてはコントロールできる話ではないので、泣き寝入りするしかありません。残念ながら、これも日本人として生まれた宿命として、諦めるしかないでしょう……。
でも、この世界最大の反面教師から学ぶことはあるのではないか、と思います。
もし、GPIFに投資や経済に詳しい人がいないとすれば、大問題と前述しましたが、これは我々個人にも同じことが言えるわけです。
というのも、積立投資とか貯蓄型の生命保険(外貨建変額個人年金保険とか)とかで、運用を他の人に任せている人も多いと思いますが、他の人に任せているからといって、金融知識がまったくなくて良いかと言われれば、そういうわけではないわけです。
必要最低限の知識がないと、売り手の良いカモにされて終わりです。
どうしてそういうことを言うかというと、金融商品の投資は、知っているか知らないかで99%決まってしまうからです。実践がすべての自己啓発とは、性質がまったく逆なのです。
どういう人に、どういうスキームで運用を任せていったらいいかを判断する鍵は、運用を任せる人の情報源にかかっています。
投資はセカンドオピニオンの意見を聞くなどして、慎重に検討していく必要があります。3ヶ月や半年くらい遅れたって、長期的に大きな差は出ないので。
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もう1つ、運用のプロに資産運用を任せるときに重要なことは、すべては自己責任であることを自覚することでしょうね。
数年前、運用の損失を恨まれてファンドマネージャーを殺害するという事件が起きたことがありました。気持ちはわからなくもないですが、あくまでも自己責任が原則なので、怨恨で殺害するというのは論外でしょう。