「今の仕事が好きか?嫌いか?」
「会社の同僚は好きですか?嫌いですか?」
「仕事は好きだけど、会社は嫌いですか?」
多くの人は口に出さないだけで、本音では即答できるような問いです。
今の仕事も会社も好きであれば、これほど幸せなことはないですが、「仕事も会社も大嫌い!」と叫びたい人も多いと思います。
自分も言葉にはしていませんが、このような気持ちを込めて、会社の寮で大声で「あー!」と叫んで他の寮生から苦情が入ったことがあります。
このように、イライラして叫びたくなるほど、本音では大嫌いな会社の仕事を我慢して続けている人が多いのか、書店を回っても「好きなことで生きていく」とか、「やりたい仕事で稼ぐ……」とか、そんなタイトルの本を多く見かけるような気がします。
今回は、そんなタイトルの付いた本を1冊紹介したいと思います。「好きなことだけして生きていけ」(千田琢哉著、PHP)という本です。
全6章で成り立っていますが、今回は前半の3章までの書評を書きたいと思います。
この記事の内容
■好きなことをやっていると、月曜の朝が待ち遠しくなる
仕事も会社も好きか、嫌いかを判断する格好の材料になるのが、日曜夜~月曜朝の精神状態ではないかと思います。
「サザエさん症候群」という言葉が一般化しているくらいですから、この症状は常態化しているのでしょう。なかには、日曜の朝から憂鬱になる人も多いのではないかと思います。
成功者は基本的に逆で、月曜の朝が待ち遠しい気持ちになるとのこと。
個人的に思うのは、月曜の朝が憂鬱というのが継続した時点で、会社を辞める準備がすぐに必要になると思います。副業を開始するとか転職活動するとか、すぐにできることから行動した方が良いと思います。
【参考記事】もう会社に行きたくない|日曜日夜の憂鬱の対処方法4選
■本当に好きなことをやっている人は、落ち着いている
自分のように、イライラして叫ぶ人(⇒対処方法はこちら)のように、精神的に不安定な人は、もちろん仕事も会社も大嫌いという証拠になるかと思いますが、
「仕事が大好きです」「仕事が楽しい」とポジティブなことを叫んでいる人も、実は嫌いな仕事をしているのだそうです。
どういうことかというと、「仕事が好きなフリ」をしているとのこと。仕事が大好きな人は、そんなこといちいち叫ばないとのことです。
誰かに「頑張っている」とアピールしなくて、落ち着いて取り組めることが好きな仕事。なるほどなあ。
■好きなことの片鱗は、小学校の頃にすでにやっている
これは、自分が大事にしている感覚の1つです。小学校の頃に夢中になったことは、そのまま大人になってから良い意味で引きずる。
僕なんかは、こうして文章を書くのが好きだったりするのですが、プロフィールに書いてある通り、小学校の頃から短編小説を書いたりするのが好きでした。
子供の時から将来の夢も、小説家か脚本家ぐらいしか言ったことないですし。
あと、この本で書いていたのは、嫌いになってしまったことで、強制されてやって、嫌いになったことはないか、ということです。
例えば受験勉強がトラウマになっている人も多いと思います。僕も一生懸命勉強して、記念受験で受けた大学以外は全部合格したのですが、それでも受験勉強はトラウマになっています。二度とあのような思いはしたくない。
でも、勉強そのものが嫌いだったかというと、それは疑問符が付きます。少なくとも数学は好きでしたし。(ちなみに国語と英語は超苦手でした)
もしかしたら、大学で習った数学とか物理とか、もう1回勉強してみる日が来るかもしれません。まあ、当分先ですが。
■「まるで子どものようだ」といわれることが好きなこと
何かに没頭していて、「子供のようだ」と言われたことがあれば、それが好きなことと定義できるとのことです。「子供のようだ」と言われてなければ、著者が言うにはかなり危険らしいです。
なお、僕はとある研修を受けていて、「子供がそのまま大人になった感じだ」と言われたことがあります。この特徴は、一種の自分の強みなのかな、と思っています。
■仕事を好きになったプロセスに、好きなことのヒントが詰まっている
食わず嫌いな仕事でも、やってみたら好きになることもあります。その場合、重視するべきことは、好きになるプロセスにあるとのことです。
著者の食わず嫌いに挑戦する際のプロセスは、以下のようだったとのことです。大事なことだと思ったので、以下原文そのまま抜粋です。
1.つべこべいわず、早く取りかかってしまう。
2.自分で決めた期限内に、周囲の倍のスピードで成長するように取り組む
3.周囲の倍のスピードで成長が見られなければ、即辞める
※この本の後半部分の感想はこちら⇒人生を滅ぼす無駄な習慣と今すぐ始めたい成功習慣を5つ
〇似たタイトルの本もある
【関連記事】ストレスを我慢して仕事続けるか?好きなことだけして生きていくか?
本記事で紹介した本のタイトル「好きなことだけして生きていけ」と、非常に似たタイトルの本があります。
上の関連記事は、著名なカウンセラーの心屋仁之助さんが書いた『「好きなこと」だけして生きていく』の書評です。
「く」と「け」の違いしかありません。
この千田さんと心屋さんの本に限らず、「好きなことで生きていく」系のタイトルが付いた本は、結構多いです。
それだけ、現代人は「好きなことで仕事する」「好きなように生きる」ということに、一種の枯渇感があるのかもしれないですね。
〇同じ著者の本
【関連記事】なぜ群れない人は成功すると言われるのか?一匹狼はチャンスかも?
これは同じ千田さんの「友だちをつくるな」という本の書評です。
僕も群れない、孤独に生きるという言葉に共感を得ているし、友達はそんなに多くなくて良いと思っているので、タイトルで衝動買いしてしまった一冊です。
こちらも、併せて参考までに。