我々日本人は、どこか「嫌なことがあっても逃げてはいけない」と教え込まれたような気がします。
学校生活では部活のつら~い練習から逃げ出しそうになっても耐え続け、学校を出て就職して、仕事や人間関係でつら~いことがあっても「逃げてはいけない」と思って、ずっと同じ会社で耐え続ける。
しまいには、「これを乗り切れば、どんな辛いことでも耐えられる」なんてことを言って後輩を指導したりするのですが、これって本当に正しいことなんでしょうか?
そんなことを考えさせる詩が、2016年7月28日の産経新聞に掲載されました。
■13歳中学生の考えた衝撃的な詩
以下、その産経新聞で掲載された詩を原文抜粋で紹介します。
逃げて怒られるのは人間くらい
ほかの生き物たちは本能で逃げないと生きていけないのに
どうしては人は「逃げてはいけない」
なんて答えにたどりついたのだろう
誰が考えた詩だろうかと思ったら、これは宮城県名取市の13歳の中学生が考えた詩だそうです。
この中学生が、どのような背景があって思いついた詩なのか、よくわかりませんが、多くの大人に衝撃を与えたのはたしかなようで、facebookでもシェアしていた人が多かったです。自分も共感して、いろいろ考えさせられました。
■逃げてはいけないのは人間だけ?
たしかに、動物は縄張りを守ったり、獲物を仕留めるために戦ったりもしますが、逆に身の危険を感じれば、全力で逃げますよね。
勝ち目のない天敵にまともに立ち向かっていれば命を失います。なので、全力で逃げないといけません。逃げるというのは、本来であれば生きるために必須の能力です。
ライオンに追いかけられているシマウマに対して、「逃げるな!戦え!」なんて言う人いませんよね。
でも、人間に対しては、このような状況でも「逃げるな!戦え!」と言ってしまいます。これはとても不思議なことです。
仕事が辛くても「会社を辞めたらだめ!逃げるな」なんてことを言われて、心が壊れるまで会社に通い続ける。こんなのは人間くらいです。
会社から逃げ出したほうが、本当の自分に向いた仕事に出会って、成功して金持ちになれるかもしれないのに、それでも多くの人は「会社を辞めてはだめ!」なんてことを言います。
特に大企業なんかは情報閉鎖社会なので、ずっと会社の中に居続け、人間関係も会社だけでは、独立や転職に関する情報を手に入れることは難しいです。
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でも、会社の仕事や人間関係が自分に合っているとは限らないのです。逃げないことによって、どんどん成功から遠ざかり、心身ともに追い詰められることもあるのです。
そういう人に「逃げてはいけない」なんて言うのでしょうか?そんなに人間は他人を破滅に追いやりたいのですか?幸せな人生を阻みたいのですか?成功させたくないのですか?
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■逃げてはいけないを禁句
今すぐ、全国民は「嫌なことがあっても逃げてはいけない」を禁句にするべきです。
人間には選択の自由があります。嫌なことがあっても耐えてもいいし、逃げ出してもいいんです。大事なのは、両方とも選択できるようにすることです。
それが自由です。自由とは多くの選択肢を持つことです。「逃げてはいけない」という言葉は、人間の自由を奪う言葉です。自由を奪われた先は人生の破滅です。
だったら、「逃げられるようにするにはどうしたらいい?」「このまま耐えていて良いことある?」と問いかけていきましょう。
そうすることで、人間は心が楽になります。追い詰められなくて済むようになります。
そうです、辛いことからは逃げ出してしまってもいいのです。会社から全力で逃げ出してしまってもいいんです。合わない環境で頑張ることほど不幸なことはありません。