【グラフで解説】ドルコスト平均法の平均取得単価の計算

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老後の貯蓄

以前、20代、低収入でも積立投資を行うことで、安定的に蓄財できるという記事を書きました。

積立投資であれば、まとまったタネ銭が必要というわけではないので、就職してすぐにでも始められます(情報収集が充分でにのにすぐに投資するのは勧めませんが)し、毎月定額投資することで時間分散を図ることができます。

それに、強制的に貯蓄することになるので、長期的に必要なお金も貯まっていきます。どうも貯金が苦手、散財してしまうという人でも、積立投資をすれば自ずと蓄財ができるようになります。

積立投資の多くは、ドルコスト平均法の考え方で成り立っています。このドルコスト平均法の特徴を簡単にまとめると、以下のような感じです。

(1)金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。

(2)数量を等分するのではなく、金額を等分して購入。

(3)価格が高い時は購入数量が少なく、安い時には多いため、単純な数量分割に比べ平均値の点で有利とされる。

(4)ハイリターンはあまり狙えないが、大きく資産を目減りさせるリスクは減らすことはできる。

このことは別の記事でも書いていますが、ドルコスト平均法については、グラフを使って説明すると、よりイメージがわきやすいと思うので、今回はグラフを使ったり平均取得単価を計算してみたりして、いろいろ書いてみたいと思います。

〇一括投資の場合

ドルコスト平均法1

Aさんは1株10,000円のS社の株を、100株(計100万円)買いました。ですが残念なことに、S社の株価はその後低迷し、上のグラフのように半年後には1株5,000円まで下がってしまいました。

Aさんの顔は青冷めましたが、なんとかその後S社は経営を好転させ、10ヶ月目に1株9,000円まで持ち直しました。

元の株価に戻るまで待つかどうか迷いましたが、Aさんはもうこんなヒヤヒヤした思いはしたくないと思い、9,000円で損切りしました。Aさんは合計10万円損しました。

〇積立投資の場合

ドルコスト平均法2

新入社員のB子さんも、Aさんと同じタイミングでS社の株が欲しいと思いましたが、就職したばかりなので、タネ銭がありません。

そこでB子さんはAさんのように一括購入することは諦めましたが、月々10万円ずつS社に少しずつ投資することにしました。これならB子さんの給料でも何とかなりそうです。

2ヶ月目には9,000円に株価が落ちましたが、B子さんは下がった株で一喜一憂することなく、再び10万円分投資します。この時取得した株数は11.1株です。

3ヶ月目以降も1,000円ずつS社の株価は下落しますが、B子さんはそれでも投資を続け、上のグラフのように、3ヶ月目は12.5株、4ヶ月目には14.3株、5ヶ月目には16.7株、6ヶ月目には20株購入することができました。

株価はどんどん下がっていきましたが、B子さんはその分たくさん株が買えるから良いか、と思い、どんと構えていました。B子さんはその後も定額でS社の株を購入し続け、10ヶ月目、9,000円に持ち直したところで売却しました。

微妙な顔付きで株式を売却したAさんに比べて、B子さんはニンマリしていました。最初に買った時より株価は下がっているにも関わらず、B子さんは利益を得たのです。

上のグラフにあるように、B子さんは10ヶ月で計139株購入しています。Aさんは当然100株しか購入していません。

平均取得単価を計算すると、B子さんの場合は100万円÷139=7,194円になります。Aさんは当然10,000円になります。つまり、B子さんはS社が7,194円の時に株式を購入して、9,000円の時に売却したことになります。

B子さんは139×9,000-1,000,000=251,000円の利益を得ることができました。このお金でB子さんは前から欲しかった洋服を買い、残りを貯金したり、再び投資に充ててどんどんお金を増やしていきました。

これは積立投資は下げ相場でも安定的に利益が見込めることを示していますが、逆に言うと、上げ相場では一括投資よりも不利になります。積立投資は大きく得することもなければ、大きく損することもない投資手法です。基本市場は右肩上がりではなく、多少乱高下するので、積立投資の方が一喜一憂せずに済むとは思います。

また、これは積立投資の仕組みの良いところを解説しているだけで、積立投資の中身が良いわけではありません。当たり前ですが、運用の中身によって、パフォーマンスは大きく差が出ます。

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