本屋大賞にもノミネートされたベストセラー小説「君の膵臓をたべたい」の著者の第2作となる、「また、同じ夢を見ていた」(住野よる著、双葉社)を読了しました。
今回は、「また、同じ夢を見ていた」の感想を書きたいと思いますが、個人的には「君の膵臓をたべたい」よりも好きな作品です。
■どういう人におすすめか?
「君の膵臓をたべたい」同様、かなり考えさせる作品です。君の膵臓をたべたいが生死や人間との関わりについて考えさせる作品である一方で、「また、同じ夢を見ていた」のテーマは「幸せとは何か?」
ファンタジー路線で不思議な世界観に引き込まれながら、自分自身の人生に照らし合わせながら、一緒に幸福について考えてしまう。そんな作品です。特に次のような人におすすめの小説です。
・最近幸せを感じていない
・笑顔を作れない日々が続いている
・幸せってなんだろうな
・人間関係で嫌なことがあって、人と関わるのが嫌になった
・素直に感謝したり、謝ったり、そういうことを最近していない
・精神的にも経済的にも自由を感じていない
■幸せってなんだろうか
この小説のテーマは、幸福、そして選択。特に幸福については、何度も「幸せってなんだろうか?」というのが繰り返し出てきます。
読んでいて感じるのは、当然この問いには答えがないということ、そして時間や環境の経過とともに変わっていくということ、人によって違うということ。
ちなみに、この小説を読む以前に、幸せを感じるリスト50なるものを作っていました。⇒詳細はこちら
一方で、幸せになるためには欠かせない要素もあると感じます。
・素直に「ありがとう」「ごめんなさい」が言えること。
・自分の正しさを押し付けて、他人を攻撃しないこと
・行動の選択の自由があること
・自分の他に、1人でも大切な誰かがいること
もちろん、他にもありますが、この小説で感じたことは、以上の点でしょうか。そんな、大切なことを物語を通して教えてくれる、優しいテイストのファンタジー小説です。
あまり深堀りしてしまうと、ネタバレしそうになるので、感想はこれくらいにしたいと思いますが、誰もが考える幸せというテーマ。一読の価値は絶対にあります。
■君の膵臓をたべたいの感想
【関連記事】【書評】君の膵臓を食べたい(by住野よる)の感想|ネタバレなし
こちらが「君の膵臓をたべたい」の感想になります。良かったらこちらも併せてご覧ください。
それにしても、「君の膵臓をたべたい」も、「また、同じ夢を見ていた」もかなり考えさせられる作品です。幸福とか、人生とか、人との関わりとか。第3弾は、どういう作品を書いてくれるのか、とても楽しみです。