会社を退職する際、「お前はどこに行っても同じだよ」「今の仕事に付いていけないなら、どこに行ってもだめだろう」とか言う人がいます。
しかし、これはとんだ勘違いなんだよ、お前に何がわかるんだよ、というのが今回の話の趣旨になります。
会社という閉鎖的な組織の中では、ずっと同僚の顔を見ているわけですが、閉鎖的なだけに自分を出すことができなかったり、我慢が当然と思っている人が多いので、顔を見ている割には、その人のことはわからないものです。
少なくとも、「お前はどこに行っても同じだよ」というのは、勘違いにもほどがあるのです。
この記事の内容
■全国民は本能的に会社員が向いてる人と向いてない人がいることを認識せよ
そもそも「お前はどこに行っても同じだよ」「今の仕事に付いていけないなら、どこに行ってもだめだろう」とか言ってくる人は、根本的に大事な観点が抜け落ちています。本能的に会社員に向いてる人と向いてない人がいることです。
○会社を辞めて独立できる環境が整った社会
これだけ世の中IT化が進んできて、1人でも働ける環境が増えてきたのに、大半の人はとりあえず高校か大学を出たら会社員になります。
これはこれで良いことかもしれません。実際に会社員をやってみないと、会社員に向いてるのか向いてないのはわからないこともあるので。それに経済的な余裕がないのに、いきなり自営業になっても……というのもあります。
しかし、会社員に向いてないとわかったら、1日も早く会社を辞めて独立する必要があります。しかも、いまは1人でどこでも働ける社会になりつつあります。最近、そういう人とよく会うようになりました。
しかも都会で働く必要もない。Uターンしたり、全然知らぬ場所で起業(←おすすめしないけど)することもできるわけです。ここ数年は特にその傾向が強いと思います。
そして、大企業が支えてきた産業が斜陽化していること、及び産業の発展がもはや昔ほど意味を成さなくなっていることを考えれば、会社員よりもフリーランスや中小企業の方が世の中のニーズは高くなるでしょう。
○会社員に向いてない人が会社員を続ける悲劇
実は行きにくい国と言われている日本でもそういう環境が整ってきているのです。にも関わらず、会社員に向いてない人が会社員を続けるなんて、悲劇でしかありません。
にも関わらず、特に大企業なんかは閉鎖的な世界で、会社の中が自分の世界のすべてと洗脳させたり、会社を中心に世界が回っていると思わせようとします。
※だから「お前を中心に世界が回っているわけではないんだよ」とか言ってくる人も信じてはいけないことになります。
つまり、無意識のうちに「本当は会社を飛び出しても大丈夫!」ということを気付かせないように仕組んでいるのです。
前述しても独立・起業しても大丈夫なように生きていける環境があるのに、会社員の大半はそれに気付いていない。
だから会社員に向いてないのに、うつ病で働けなくなるまで会社員を続けてしまうことになるのです。
うつ病になるだけならともかく、自殺する人まで出ていますよね。以前問題になった電通や関西電力の例は氷山の一角でしかないのです。
■「どこ行っても同じ」とか言う奴ほど、どこにも行ったこともない
会社を辞めて起業しようとしている人、違う業界に転職しようとしている人は、とても勇気のある人だと思いがちですが、実はそうではないと思います。
勇気を持って会社を辞めるのではなくて、会社を辞めても大丈夫であることに気付いているから辞められるのです。
自分も、たまに「勇気ありますね~」とか言われます。たしかにあと5年働いていれば年収1,000万円に達していたのに、それを棒に振ったのは勇気が必要だったと思います。
それ以上に、会社を辞めても何とかなる、そういう環境が整っていることに気付いたから辞められたのだと思います。もちろん経済的な尤度も測ってというのが大きいですが。
「お前はどこに行っても同じだよ」とか言ってくる人は、その観点が抜けているのです。
「今の仕事に付いていけないなら、どこに行ってもだめ」とか言っていますが、こういう人は、仕事を試験か何かと勘違いしていないでしょうか。
中学レベルの数学ができなければ微分やベクトルなんて理解できないとか、仕事というのはそういうレベルで話をしてはいけないと思います。
向き不向きがあるのです。今の仕事に付いていけないのは、その仕事が合っていないからです。
自分に向いていない仕事を手放して、自分の向いていることにチャレンジする姿勢を評価しようとしないのは、いかがなものかと思います。
だいたい、こういう心無いことを言う人は、「どこに行っても」とか言いながら転職や独立経験がなく、1つの会社にずっと居座っている人が大半です。
起業も転職もしたことがないのに、「どこに行っても」とか言うことがおかしいということです。
もし、転職や独立を誰かに相談する際にそんなことを言われたら、その人が起業や独立を経験したことがある人なのか、よく考えてみましょう。ほとんどの人は、それがないはずです。
もし、転職を繰り返して、起業して苦労した経験のある人の言葉であれば、「どこに行っても……」という言葉に耳を傾けた方が良いかもしれません。
しかし、そういう人は大概、そんな否定的な物の言い方はしないでしょう。同じ言葉でも言う人によって説得力が違うと言いますが、使う言葉も少し違ってくると思います。
「どこに行っても同じ」ということはないです。適材適所が人それぞれあることが原則であることを認識しない限り、自由になれないし、人から自由を奪う人になってしまいかねないのです。