「受験勉強を頑張って東大に入ったけど、その後目標を見失ってドロップアウトした」なんて話を昔から聞きます。バーンアウト、燃え尽き症候群というやつです。
僕は東大とか京大を出たわけではないですが、それでも大学受験後は燃え尽き症候群に陥って、ほとんど学校に行かない日もありました。
この燃え尽き症候群ですが、何も大学受験に限ったことではなく、会社員になってからもあり得ます。今回は、仕事で燃え尽きる理由について書いていきたいと思います。
仕事で燃え尽きるのは、大学受験や部活で燃え尽きることとはわけが違います。仕事でバーンアウトする方がよっぽど辛いです。
■好きで選ばなかった大学の専攻
私は目標達成志向は強い人間ですが、その割には「いったいお前は何がしたいんだ?」と言われるタイプでした。
これは学生時代の部活でもそうでしたし、冒頭に書いたように、これは大学受験もそうでした。自分は小説家になりたい、作家になりたいと思いつつ、進んだのは理系でした。数学が国語より得意だったからです。
小説家になりたいから理系に進んではいけないというわけではありません。理系出身の作家なんていっぱいいますよね(東野圭吾とか)。
問題だったのは興味のない学部に進んでしまったことです。当時、自分は「自分の好きなこと」「自分のしたいこと」を考えるのが怖かったかもしれません。
そのような理由で大学選びをすると、理想と現実のギャップで絶望するかもしれないと思ったのです。苦労して興味のある大学に入って、それで蓋を開いたら興味のない分野だった、ということが怖かったんです。
だから「入りやすいところ」という基準で大学選びをしました。思いっきりバーンアウトしたくせに、懲りずに就職活動も同じようなことをしてしまいました。
■何となく入った会社
「興味のある仕事」「好きな分野」を追求することよりも、激務な会社に就職するのを当時は極度に恐れていました。
大学の研究室時代に、とても辛い思いをしたのがきっかけです。理系の研究室を経験した人ならわかると思いますが、非常に拘束時間が長いです。ブラック企業なんてかわいいもんです。
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しかもそんなに人付き合いがうまい方ではなく、あまり研究室に馴染めなかったというのも大きかったですが、この研究室時代の経験が、「自分の好きなこと」の追求を阻んでしまいます。
結果、比較的安定していて、残業もそんなに少ないだろうと思われる会社をいくつか選んで就職活動しました。もちろん、いまどきそんな選び方で就職して、何年も持つとは思えませんが。
■残業時間と心の病は関係ないかも
就職して思ったことは、実は仕事の拘束時間、つまり残業時間と心の病の関係性は、あまりないのではないかということです。
最近、電通の女性新入社員の自殺が過労死と認められた件が話題になっています。月に130時間労働していたとのことですが、おそらく自殺に追いやられた直接的な理由ではないでしょう。
個人的に、働いて心を病む原因は人間関係か、もしくは嫌いな仕事をしているかのどちらかだと思います。
どちらかが良好な場合、なんとか耐えられると思います。仕事は嫌いでも人間関係が良好なら、そんなに文句を言わずに働けるでしょう。人間関係に悩みがあっても、心から好きな仕事なら何とかしようと考えるでしょう。
でも、これが長く続くとは到底思えません。どちらかが少しでも綻びを見せた瞬間、あっという間にバーンアウトします。自分がそうでした。
気付いたら、元々いまの業界に興味があって就職したわけではありませんでした。出世欲こそ強かったものの、その後仕事していって楽しさを見出せたかどうかは疑問です。
でも、人間関係はそこそこ良かったのが20代。好きではない仕事に疑問を持つ機会は少なかったように思います。
しかし、会社員にとって、人間関係がグロテスクなほど悪化しやすいのは30代です。求められることが変わってくるからです。これに対応できるかできないかが、人間関係に直結します。
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20代では耐えられたことが、30代では耐えられなくなります。周りからの圧力も強くなります。それで自分はバーンアウトしてしまいました。心から好きな仕事であれば、このような状態にはならなかったでしょう。
人間関係はセルフコントロールで変えられますが、自分の好き嫌いは、なかなか変えることは難しい。嫌いな仕事は、結局嫌いなままであることもあるのです。
バーンアウトすることが悪いことではないですが、かなりきついです。大学入学時のバーンアウトとは比較になりません。
いくら残業しても充実感に満ちていて元気な人がいます。ほとんど残業がないし土日祝休んで有休もたっぷり使っても目が死んでいる人がいます。皆さんはどっちがいいですか?