個人的に、使うときは気をつけようと思っている言葉があります。それが「仕事頑張ってね」という言葉です。
よくうつ病の人に「頑張って」と言ってはいけないとか言われますが、うつ気味の人でなくとも、なるべく「仕事頑張ってね」という言葉を使うのは慎重になりたいところです。
なぜかというと、自分自身が言われて、あまり気持ちのいいものではないからです。
■どうして「頑張れ」なんて言うの?
どうして「頑張れ」なんて言うの?私は十分頑張っているのに。
これは、以前書評に書いた、「灰色少女の声」というイラストブックの引用です。⇒書評はこちら
「頑張れ」と言われて不快になるのは、まさにこういう気分のときです。
「これ以上何を頑張れば良いの?」「努力が足りないとでも言うの?」戸惑いと怒りを感じる言葉です。でも心無い人は、こういう言葉を平気で投げかけてきます。
■仕事中に言われると腹が立つ
特に仕事中に言われると腹が立ちます。殺意を感じることもあるくらいです。
「もっと頑張らないとだめだよ~」
「本当はもっとできると思うんだけどね~」
飲み会とかで説教じみて、こういうことを言う人の、なんと多いことか。正直、こんなこと言われるとしんどいです。ちょっと後ろ向きな言い方すると、「あんた、おれのことそう思っていたのか?」と絶望して、その人に対する信頼も失ってしまう感じです。
でも、こういうときよりも、もっと腹の立つシチュエーションがあるように思います。
■今日も1日頑張りましょう……
早朝にこんなこと言われたら、無性に腹が立ちます。気分が落ち込んでいるときの朝は、本当に動きたくない、「もう話しかけてこないで……」そんな気分です。
そんなテンションのときに、「今日も仕事頑張ってくださいね」なんて言われたら、どうでしょうか。落ち込みも忘れるほどの激しい怒りがこみ上げてくるのではないでしょうか。
これ、別記事で書いように、元気でないのに、「元気そうだね」なんてことを言われるのと一緒ですよね。これは逆鱗に触れます。
なので、早朝に「頑張ろう!!」なんて言葉は投げかけないようにしています。会社の組合の春闘とかでやる「がんばろう三唱」じゃあるまいし……。
■どんな時に「頑張れ」は効果的か
当然、言われる側が、非常にモチベーションが高い状態のときに言えば、不快に感じられることはありません。
例えば、僕であれば、「執筆活動頑張ってください」とか「ブログ頑張ってください」とか言われれば、「ありがとうございます!」となります。
しかし、「会社の仕事頑張ってください」とか「今日も1日張り切って出社しましょう」とか言われると、殺意を感じるほど腹が立ちます。
逆に「会社を辞められるように頑張りましょう」と言われると、すごい勇気づけられます。
つまり、安易に、ぼんやりと「頑張ってください」と言ってはいけないのです。「頑張れ」と言うのであれば、具体的に、何に対して「頑張れ」なのか言ったほうが良いですし、本人の願望に適うことを十分確認する必要があると思います。
■安易に使える言葉ほど怖い
ここで感じることは、安易に使える言葉は、とても怖いということです。「頑張れ」も、安易に使いがちです。
しかし、安易な言葉は非常に人を傷つけやすい、怒らせやすい一面も持っています。こういう言葉ほど、怖いです。
だから「僕は頑張れという言葉が嫌い」とか、「頑張らない生き方」とか、そういう言葉が生まれてくるのです。
頑張ることは、そんなに悪いことではないです。でも、自分の願望に合わないことで頑張ると、確実に精神崩壊します。相手の精神崩壊を誘発しないように、安易にこの言葉については、注意を払いたいと思っています。
言葉にも気をつけたいですが、頑張るところと頑張らないところ、メリハリを付けて生きていきたいとも思っています。