投資と聞いて、何を思い浮かべますか。多くの人は金融商品の投資という一般的な資産運用、もしくは自己投資と答えると思います。
資産運用と自己投資は同じ投資でも全然違います。前者はお金の貯め方の話、後者はお金の使い方の話です。
なので、結構相反する部分が多く、自己投資としてお金を使ってしまうか、いやいや資産運用に回して堅実にお金を殖やすか、このバランスは悩みどころです。
今回は自己投資という、重要なお金の使い方の話で、思うところを書いていきたいと思います。
■資産運用は未来のお金への投資
資産運用は、将来必要なお金を形成していくための手段です。「資産形成=収入-支出+資産×運用利回り」という、有名な計算式を聞いたことがある人も多いと思います。
資産運用は複利の効果を使って効率的にお金を増やします。将来必要なお金を形成するためには、この複利の効果を使って長い時間かけて運用していくことが重要であり、欠かすことができません。
投資というとギャンブルのイメージを持つ人がいますが、そういう人は投資家と交流したことがあるのでしょうか?実際会ってみると、全然投資しない人よりもかなり堅実な考えを持っていることがわかります。
将来必要なお金と言っても、人それぞれ様々なライフステージがあります。老後や早期退職に必要なお金、子育てや養育費、なかには家を買いたいという人もいるでしょう。
こういうライフイベントから逆算して、いついつまでに、いくらのお金を用意するかを考え、お金を貯めて運用していきます。
複利は時間をかけるほど効果を発揮できるので、早くから運用していった方が有利ですし、積立投資とかであれば時間的なリスク分散もできます。
ただ、資産運用は未来に必要なお金を作ってくれますが、今の自分を満たしてくれるかどうかというと、そうでもない気がします。
さすがにいきなり1億とか2億とか手に入れば良いですが、なかなかそんな投資はありません。あっても100%詐欺です。
将来必要なお金を貯めるのは必須ですが、同時に今の自分を満たしてくれる方法を求めることも大事です。でないと、いつまで経っても幸福感は得られません。
■自己投資は今の自分を満たすための投資
一方、自己投資は今の自分を変えるための投資、将来自分が稼げるための投資です。
お金の使い方には自己投資、消費、浪費の3つに分類できます。もちろん、自己投資の割合が多く、浪費が少なければ良いです。
ですが自己投資と浪費の違いは結構難しかったりします。例えば感銘を受けたり役に立つ本を読めば、その書籍購入費は自己投資になりますが、結局読まずにそのままにしておけば浪費になります。このように自己投資と浪費は紙一重です。
なので、自己投資の判断基準を明確に持つことが重要かと思います。人によっては思い切って高級ブランド品を買うことが自己投資になるかもしれません。3日間缶詰めになるセミナーが大事な自己投資かもしれません。
しかし、人によっては全然それが自己投資にならないこともあります。そんなに服装に困っていないのに無理して高い洋服を買っても意味がないでしょうし、目的なくセミナーに行っても全然変わらないことがあります。
この違いの判断基準は何かといえば、それが「今の自分を満たせるかどうか」です。
「今の自分に必要なもの」という考えも正解だとは思いますが、それでは何でもかんでも手を出して消化不良になりがちです。お金だけではなくて時間も浪費するでしょう。
なので、「今の自分に必要なもの」を一歩踏み込んで、「今の自分を満たしてくれるかどうか」で考えます。
高級な洋服や小物を買って、自分自身のモチベーションが上がって持続できれば、それは立派な自己投資。でも、それが瞬間風速であれば浪費でしょう。そういう人は、もともと物欲がない人だと思います(自分がそうです)。物で自分を満たせないのです。
であれば、例えば新幹線のグランテラスに乗ってみるとか、一流のホテルに泊まってみるとか、サービスにお金を使ってみると良いかもしれません。
個人的におすすめなのが、人との出会いや関わりにお金と時間を投資できるかどうかだと思います。人間はなかなか物では変わりません。本を読んだり2~3時間くらいのセミナーに行ったところで変わりません。
でも、人との関わりで自分を変えることができます。セミナーに行くにしても、出会った人との人間関係が続くような場に行くようにしましょう。
人間関係の変化は、自分の満たし方に影響を与えます。自分の心の満たし方をマスターして、お金に良い意味でシビアになっていきたいところです。