今回紹介する本は、「小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法」(はあちゅう、村上 萌共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
かつて居場所がないと感じた2人が、いかに小さな野心を絶やさずに生きてきて人生を最高に楽しむまでになったのか。
迷子になった自分探し期⇒転機となった試行錯誤期⇒軸が固まる理想の自分実現期と、2人の生き方を確立するまでの道のりを描いた本ですが、この中で印象に残った箇所について、書評を書いていきたいと思います。
■型にはまろうとしたけどいまくいかなかった
みんなにいいねって言ってもらえる学校や会社。憧れの「型」に入れたはずなのに、この型の中にいることがつらい。せっかく「型」にはまったのに、全然幸せじゃないというフラストレーションは、何かを変えたいという強烈な欲求になりました。(原文まま)
良い大学出て、それなりに給料が良くて安定した会社に入っても幸せになる時代は終わった。経歴だけでは金持ちになれない。なんて言葉をよく聞きます。でも、良い大学出て、みんなが羨ましがるような会社に入ることは決して悪いことではないと思います。
しかし、「型」にはまるのが幸せとはならないのはたしかです。自分も大学出て、比較的大きい会社に入っていますが、「型」にはまっても幸せを感じ取れない方です。なので、上の文に書いてあることはよくわかります。
「型」にはまっても幸せではない、これは自分にとってとても苦痛でした。なので、人付き合いを変えようとしたり、行ったことのない場所にいったりと、環境を変えようとした、つまり刺激を求めた時期がありました。
型にはまろうと、はまらなかろうと、幸せを感じ取れないなら、いろいろ変化を求めて動き回るのも悪くないと思います。最初は無駄も多いかもしれませんが、そのうち直感で興味を持てるような人に出会えると思います。
■海外に答えを求めたけど、答えがなかった
成田空港から自宅に戻って、背負っていた35キロのバックパッカーバッグを玄関に置いた瞬間、すべてが出発前に戻りました。(原文まま)
これ、自分が海外旅行から帰ってきたときの感覚にすごい近いです。自分もマカオとかドバイとか、自分の価値観を破壊してくれるほど刺激的な場所に行ったりしました。これ自体はとても良かったと思います。実際に、自分の視野が広がるので、海外旅行はとても有意義だと思います。
でも、だからといって旅が人生まで変えてくれるかどうか、それはないと思います。少なくとも著書で書いているとおり、人生の問題の本質的な解決にはなりません。
DVDを一時停止して、また見始めたかのように、あっけなく。(原文まま)
という言葉があるように、どんなに刺激的な旅をしようが、帰ってきたら次の日からこれまでと何も変わらない毎日が待っています。
大事なことは、旅をして何を感じたか、どんなことに興奮したか、どのように視野を広げたかということだと思います。これを深堀りしていけば、自分の将来の方向性を決めるきっかけにはなるかもしれません。
■「今いる世界」から抜け出してみる
みんなが同じ価値観にいると、自分の本心がどれであるかはわからなくなるのです。自分の身を置く場所をひとつに決めないことや、たくさんの人の価値観に触れることが本心を作っていく大切なポイントなんだと思います。(本文まま)
ずっと家と会社の往復ばかりの毎日で、自分の本当の気持ちがどこにあるかわからなくなった人には刺激的な一文ではないでしょうか。
まったくこの通りだと思います。会社員の人でも、会社以外の人間関係を作るようにすることはとても大事だと思います。
でないと、視野がどんどん狭くなり、窮屈な状態になります。これはとても恐ろしいことで、こんな狭い世界で人間関係に悩むと、「お先真っ暗」と思い込んで生きるのが辛くなってしまいます。
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■人間関係を広げてみる
それは運がいいといったことではなく、自分の中での興味を明確に覚えていて、いざという時にそれが心の引き出しから簡単に出てくるからなのかもしれません。その引き出しをフル活用して、本当に多くの人と出会い、助けられてきました。(原文まま)
今いる世界から抜け出して、ただ闇雲に人と会うようになったり、異業種交流会とかで名刺をばら撒いても、何にも意味がないですよね。
やっぱり「私は何をやりたい」「これを求めている」というのを明確に持っていた方がいいです。そうしないと、必要な人、新しい大切な仲間を引き寄せることはできません。
著書に書いてある、「自分の中の素敵な引き出しを多く持って整理整頓していく」ことが、人間的な成長ということなんじゃないかと思います。
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