不動産関連の話をする時に、リコースローンとかノンリコースローンという言葉がたまに出てきます。
日本の主流はリコースローンですが、例えばアメリカなんかだとノンリコースローンです。
日本では、ノンリコースローンはほとんど普及していないので、あまり話題になることはないですが、マイホームを買うリスクがいかに大きいかが、この話でもわかると思うので、今回は住宅ローンの、日本とアメリカの大きな違いについて書いてみたいと思います。
■リコースローン
日本の住宅ローンで主流となっているリコースローンの大まかな概要は、以下のような感じです。
(1)担保となる家を手放し、不足分があればそれも支払う。
(2)物件の価格下落リスクは自分で負わなければならない。
例えば5000万円のマイホームを、頭金1,000万円、借金4,000万円で購入するとします。しかし、ある事情で数年後、家を手放すことになってしまいました。
しかし、住宅価格は2,500万円に下がってしまいました。この場合、バランスシート上は4,000万円-1,500万円=2,500万円の債務超過になってしまいます。
家を手放したからといって、リコースローンでは債務超過分を見逃してはくれません。まだ借金を払い終えていない場合、家がないにも関わらず、ローンを返し続けなければなりません。
■ノンリコースローン
一方で、アメリカで主流とされているノンリコースローンでは、以下のような感じです。
(1)担保となる家を手放した時、不足分の支払いは免除。
(2)物件の価格下落リスクは金融機関で負う。
(3)貸付金利はリコースローンより高くなる。
同じく、5,000万円のマイホームを、頭金1,000万円、借金4,000万円で購入するとし、数年後に手放し、物件価格が2,500万円に下落したとします。
しかし、ノンリコースローンでは、債務超過分は金融機関で負担することになり、借金の残りはチャラになります。
その代わり、貸付金利はリコースローンより高くなります。
■なぜ日本ではリコースローンか
アメリカに住んだことのある友人に聞いた話です。
アメリカでは中古の物件の市場が充実しており、しっかり修繕していけば物件価格をさらに上げることができるため、中古の物件の販売が盛んで、CMもバンバン流れたみたいです。
日本ではそんなCM見たことなく、ほとんどが新築です。日本では中古市場が全然充実していないのです。しかもその新築の耐用年数もたしか30年程度ではなかったでしょうか。しかも、この人口減の世の中です。
そんな状態で金融機関はノンリコースローンにしたがらないと思います。ノンリコースにしたとしても貸付金利がかなり上がりそうな気がします。そうなればローンを組んで家を買いたくなくなります。
サブプライムの時に多くのアメリカ人は家を手放しましたが、借金の残りもチャラになったので、まだ救われていました。
しかし、日本では家を手放して借金の残りがあれば、なおも払い続けないといけなくなります。自分が住宅ローンは地縛霊と例えているのはそのためです。
リコースローンとノンリコースローンについて知るだけでも、いかにマイホームの購入がリスクが高いかがわかる気がします。
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自分はマイホームか賃貸かで言えば、絶対に賃貸を選びますが、なぜそんなにマイホームを買いたくないかを、この記事で書きました。
自由が欲しいなら、やはりマイホームは買えませんね。
これは価値観の違いとか、お金の使い方の優先順位の問題と思いますが、個人的にはマイホームの購入よりも、早期退職や教育資金に充てたいと思っています。