友達や家族にお金を貸すような機会、そんなに多くはないですが、ごく稀に10~100万円単位でお金を借りたり貸したりすることもあります。めったにないことですが、そういう時、貸す側は利息を請求して良いものなのでしょうか?
手持ちのお金がなく、すぐにATMで引き出しができない場合に、1~2万円の貸し借りをすることはあっても、こういうときはいちいち利息なんて取らないでしょう。
今回話すことは、そういう場合とは少し違います。何らかの事情、例えば何らかのビジネスの頭金にしたいとか、本当に借金で困っているとか、そういう場合に個人間でお金を貸すという場合です。
■利息制限法と出資法
一応、利息制限法という法律があります。以下、その法律を抜粋したいと思います。(原文まま、ただし漢数字は数字に直した)
金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が次の利率(単利。以下「制限利率」とする。)により計算した金額を超えるときは、その超過部分につき無効である。
・元本が100,000円未満の場合 年2割(20%)
・元本が100,000円以上1,000,000円未満の場合 年1割8分(18%)
・元本が1,000,000円以上の場合 年1割5分(15%)
利息を取ろうか考えるときは、だいたい10万円以上の貸し借りになると思うので、そうなると上限は年利15~18%ということになります。
これを知らずに、年利20%の利息を請求すると、100万円以上の貸し借りであれば5%は無効になります。これはもちろん消費者金融業者でも同じことになります。
なので、友達にお金を貸す場合は利息は請求できるが、限度があるということを頭の中に入れておく必要があります。
無効になるだけならともかく、刑事罰の対象になることもあります。出資法が刑事罰対象の法律だからです。
友達にお金を貸す行為を出資と解釈した場合、その上限金利は20%と決められています。
2000年以前の上限金利は109.5%、2010年までは29.2%でしたから、かなり引き下げられています。
つまり、年利20%以上の利息を請求した場合、出資法では、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」となっています。
とはいっても、基本的に利息制限法を守っていれば、お金の貸し借りでは問題ないでしょう。
■自分だったらどうするか?
自分だったら、友達にお金を貸す場合は、利息制限法の範囲内で利息を請求すると思います。
もちろん、何か別の事情があって、信頼できるほどクローズドな関係にある人に対して、しかも応援している人であれば無利子で貸すこともあるかもしれませんが、このようなケースはほとんどないでしょう。
ましてや、相手からお金を貸してほしいと言われた場合は、間違いなく利息を請求します。しかも、よほど信頼のおける人、近い関係の人に限ります。
よほど信頼できる人でないと、利息制限法の上限金利であっても、貸すことはしないでしょう。リスクが大きすぎるからです。
よって、ブログのお問い合わせフォームから、「お金貸してくれませんか?年利15%で」と言われてもスルーしますのでご了承ください。まあ、そんなことする人いないと思いますが(笑)。
■投資詐欺にも気を付けよう
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