「将来本を出したいなあ」理由は様々あれど、そう考えている人は、結構多いと思います。自分の書いた本が書店で並んでいる。印税が手に入る。たしかに、とても素敵な経験だと思います。
出版不況と言われて、もう何年も経っているような気がしますが、たしかに書籍の売り上げは年々悪くなっています。「本が売れない時代」というのは、あながち間違いではないと思います、
しかし、一方で出版点数は年々増えている傾向にあります。ここでは、その理由については書きませんが、1冊の本がベストセラーになる確率は低くなっているものの、処女作を出したいと考えている人にはチャンスが広がっていると言えます。
ただ、本を出すとしても、自費出版は大幅なコストがかかるのでやりたくない。電子書籍で自費出版すればコストはかからないかもしれないが、まだ主流ではないので、大幅な利益は見込めない。(ただ、電子書籍は印税を高く設定できるのもあり、今後の成長を考えれば、長い目で見て期待しても良いと思います)
そう考えると、やはり商業出版したい、そう考えるのは自然の流れです。私も数年前に処女作を出版しました。ビジネス書や小説ではなく、自分の趣味を書いたエッセイですが、出版による印税が入ってきた以外に、講演の依頼が舞い込んできたり、メディア(主にテレビ、ラジオ、雑誌)から取材して頂いたりしました。
30分の番組で、まるまる自分が取り上げられたこともあります。講演やテレビ出演等で、こういった臨時収入が得られることもありますし、何といっても貴重な体験をさせて頂いていると思っています。まさか自分がそんなことができるとは思っていなかったし、こうした経験を通して、やっぱり自分は書く事で生きていきたいということもはっきりしました。
また、商業出版でもベストセラーになる確率は厳しいものになっていますが、ビジネス書を出版することでブランディングを図っていきたい人には有効な方法だと思います。将来セミナー講師やコンサルタントもやろうと考えている人は、ぜひ出版も視野に入れてほしいと思います。
○出版エージェントに原稿を送る
ただ、どうしたら良いかわからない。小説なら、いろんな新人賞に出すしか方法はないだろうし、ビジネス書でも、どうやって出版社に売り込めばいいかわからない。業界に人脈もない。さあどうしよう。自分もそんな感じでした。
しかし、商業出版する方法は、新人賞に応募したり、直接出版社に原稿を送って売り込むことだけではありません。出版エージェント会社にプロデュースしてもらうという方法があります。どうやら、アメリカでは主流の方法らしいですが、日本ではまだ知らない人が多い気がするのが現状です。
私は、出版エージェント業界で最大手のアップルシード・エージェンシーさんに原稿を送ってみましたが、出版に至る流れは以下のようになります。
(1)企画書、サンプル原稿を送る。また、添削費用として、10,800円を支払う(ただし小説に限り、完成品しか受け付けていないらしいです。完成品の場合、初期費用54,000円)
(2)企画書、原稿を添削してもらう。(もし、ここで出版に適さないと判断されても、その理由、つまり添削結果を詳細に教えてもらえます)
(3)出版に適していると判断されれば、エージェントさんの方で版元を探してくれます。興味を示す出版社が複数ある場合もありますが、コンテンツから最も適した版元を選んでくれます。
(4)エージェント契約を交わした後、出版社も交えてキックオフ・ミーティング。その後は原稿を完成させる。
(5)出版できると思われる状態まで、エージェントさんと一緒に推敲します(私はここでかなり苦労しました。)。
(6)出版社に原稿を送付し、製本。ここからは、通常の出版と同じ手順になります。
(7)めでたく出版。印税はエージェントさんと山分けになります。(つまり初期費用以外は成功報酬を支払うだけです)
エージェント会社選びに気を付けたいところは、最後の成功報酬の部分と思われますが、判断基準は著者7割、エージェント3割と考えればいいと思います。なかには著者1割、エージェント9割という会社もあるらしいですが、これはさすがに理不尽と考えていいでしょう。また、じっくりと原稿を見てもらえるかどうか、という点もポイントだと思います。
上記のアップルシード・エージェンシーの場合は、企画書段階であれば初期費用10,800円以外は成功報酬です。推敲の過程で追加手数料が発生することもありませんでした。
いくら出版不況だからといっても、初版で少なくとも数十万円は稼ぐことはできますし、もし出版に至らなくても、その理由を教えてもらえるのですから、10,800円の価値はかなり高いと思います。
原稿の採用率は10%程度とのことですが、これも新人賞に応募したり、直接原稿を持ち込むことに比べれば、かなり高い確率で出版できると考えて良いと思います。処女作を出版したい人にとっては選択の価値が高い方法と思います(^^)
これ、文章のコツのカテゴリーに入れてしまいましたが、どちらかというと出版の戦略ですね……(・・;)