イギリスのEU離脱の影響を受けて、ポンドが対円で大きく値を下げています。2015年末~2016年1月はだいたい180円/ポンド程度だったと思うのですが、今日見ると127円/ポンドになってるから、2/3近く急落しています。
一方、米ドルは一時期120円まで上昇して、いまは103円程度まで落ちているとはいえ、ポンドほど落ちていません。東日本大震災後の1ドル80円を切っていた時代から比べれば、まだ円安かと思ってしまいます。
そもそも、ポンドは値動きが激しい通貨として知られています。もともと他通貨と比べて対円で値が大きいのもありますが、それにしても激しいです。いったい、その理由は何なんでしょうか。
なお、この記事を書くにあたって、最近FXでポンドで大コケしたわけではないので、皆さんご安心を。
この記事の内容
■流通量
ポンドは投機的通貨、殺人通貨と表現する人も多いみたいですね。やはり昔から値動きが激しい通貨として、FXトレーダーからは知られていたみたいです。
冒頭では長期的視点で書きましたが、1日の動きを見ても、3円とか動いたりすることもあります。ドルで3円動いたらびっくりですが、ポンドでは結構こういうこともあります。これでレバレッジかけてたら……、夢はあるけど破滅も見えてしまいます。
よく言われるのが、ドルとかユーロとか円に比較しての流通量の低さです。流通量が低いので、狙ったかのような売買があると値動きが激しくなるのです。
ベテラントレーダーは好きな通貨でしょうが、そうでない人は、あまり手を出したくないところです。
■キャリートレード
世界的に株価が上昇すると、リスク選好傾向になり、投資家は高金利通貨を狙ってきます。
世界的に株価が上昇すると、ドルが円に対して上昇するのは、ここ数年見てきた通りですが、この現象が起きると、ポンドはドルに対して上昇する傾向があるみたいです。円に対してはダブルで上昇することになります。
EU離脱が懸念される前のポンドがやたら上昇しているように見えるのはこのためです。震災後は120円でしたが、一時期は180円で、まさか200円いくのか?と思ったこともありましたし。
ただ、この時期、米ドルも80円→120円になってますから、この間の上昇率は案外同じ感じです。冒頭で書いたとおり、最近の急落ぶりは結構目立ってますが。
なお、関係のない話ですが、世界的に株価が上昇し、米ドルの価値やNYダウ平均株価が上昇するようになると、金(ゴールド)の価格は減少します。
逆に世界的に不況になると、金価格は上昇します。金とドルは相関関係がわかりやすいです。
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ドルベースで何らかの資産を持っている人は金(ゴールド)で若干ヘッジしておいても良いでしょう。逆にポンドとかは、不況時にドル以上に思いっきり値を下げる可能性があります。