「本当は会社を辞めて独立したいけど、経済的に不安だから辞めることができない」
「本当は組織の束縛なんて大嫌いだから辞めて自由になりたい。でもお金の問題が……」
本当は会社を辞めてまでしたいことがあるのに、会社を辞めることができず、グズグズした状態を続けてしまうことがあります。
たしかに、組織の束縛から逃れたいというだけで会社を辞めるのは無謀すぎるでしょう。それで起業してうまくいった人は誰もいない、という話はどこでも聞く話です。
しかし、いつまでも会社を辞めないでいるのもどうなんだろう?会社を辞めるリスクも高いけど、辞めないリスクもそれなりにあるのではないか?
いつまでも会社を辞めないでいるのは、せっかくのチャンスを逃すことにならないだろうか?ということで、会社を辞めるリスクと会社を辞めないリスクについて、思うところをまとめてみました。
■会社を辞めるリスク
これについては、言うまでもないでしょう。なんだかんだ言って、フリーランスに比べて、会社員は有利な立場です。
定年まで会社にしがみつくことは、もちろん怖いことだと思うし、いずれ精神が破壊されると思います。僕も定年まで働きたくありません。それどころか、あと1~2年も持たないかもしれません。
それでも、退職して独立するまでの期間、安定した給料をもらいながら実務を通して学んでいくというのは、なんだかんだで会社員の特権です。
会社員という立場は、依存はだめでも利用した方がいい。
安定した給料がもらえるうちに、資産運用に着手したり、自己投資で自分を磨いていくことに注力する。そして働きながら技量を磨く。
無謀な形で会社を辞めてしまうと、それができなくなります。一転して仕事のないフリーランスとなってしまえば、経験も積めないし、お金も貯まらない。
自由になるつもりで会社を辞めて、ますます不自由になってしまっては本末転倒です。それでまた会社員に戻らざるを得ないというのは避けたいところです。ここまでは多くの人が語るところだと思います。
これは間違いないと思います。会社以外の収入が支出を超えるまでは会社員、超えたら独立というのが原理原則なのは否定できません。
■会社を辞めないリスク
会社を辞めるリスクで書いたことは、本音と建前のうち、どちらかというと建前です。理想論と言ってもいいでしょう。
本当は会社を辞めたいと考えている人は、「副収入が支出を超えるまで」なんてのんびりしたこと言っていられない人も多いでしょう。今すぐにでも会社を辞めたいという人は非常に多いと思います。
そういう場合、会社を辞めないリスクを考えるのも非常に重要な要素です。
〇時間を無駄にしてしまう
会社を辞めない最大のリスクは、何といっても時間を無駄にしてしまうということにあります。
時は金なり、と言われるように、どうしても会社員は、給料をもらう代わりに時間を会社に捧げるという側面があります。
もっと言うと、給料=時間的拘束に対する慰謝料と言ってもいいでしょう。
会社の仕事も好き、ということであればそれでも良いと思いますが、もはや気持ちが会社以外のことに傾いていて、好きなことで稼ぎたいと考えているのであれば、もはや会社で働いている時間は無駄でしょう。
退職によって失われたお金は取り戻せますが、会社員を続ける事によって失われた時間は、もう戻ってはきません。
お金より大事なものは命と人間と時間だと思っていますが、そのうちの時間を、会社員という立場によって犠牲にしてしまっているのです。
〇精神的に危険である
会社を辞めないもう1つのリスクは精神的な危険性でしょう。閉鎖的な会社組織にいる限り、ストレスは非常に大きいリスクになります。
フリーランスになれば、自分の思うように人間関係を作っていくことも可能ですし、それこそ孤独な一匹狼を目指すことも可能です。
しかし、会社員ではそれができません。必ずどこかに馬の合わない人間というのが登場します。
また、会社というのは協調性とかチームワークが求められてしまう側面があります。逆に個人プレイに走るようなことは不利に立たされることが多いです。
これは会社という組織の大きなリスクです。個の時代において、個が重要視されないのです。これはうつ病になってしまうリスクが大変大きいことを意味します。
会社員でうつになるという話はよく聞きますが、フリーランスでうつになったという話は、そんなに聞かない気がします。
自由な立場というのは、それだけ精神的なリスクが低いということです。
会社員というのは生き辛い側面を持っています。時間と心の健康を犠牲にしてまで働き続けたいか?100%の人はNoと答えるでしょう。
■まとめ
・会社を辞めるリスク⇒将来手に入るお金と技量が失われる
・会社を辞めないリスク⇒時間と心の健康を犠牲にしてしまう
■関連記事
【関連記事】うつ病で休職する人へ|知らないと損する健康保険の仕組み
ついまじめに考えすぎてしまうと、会社に残るか、退職するか、そればかりを考えがちですが、その中間を取って休職するという手もあります。
ここに罪悪感を感じてしまうと、正しい決断ができなくなってしまう可能性があります。
追い詰められた感じがする場合、逃げ道を作ることもとても重要です。