無理せず頑張らないで生きる人生~ダウンシフターズという生き方~

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2015-10-12 19.44.54

頑張らない人生を送っていきたい。もう疲れたよ……。たまに会社で仕事していて思うことがあります。

「毎日憂鬱な気持ちを我慢して会社行くくらいなら、収入を減らしてでも、もうちょっとストレスのない仕事に変えて、時間的にも精神的にもゆるくて幸せな人生を送りたいなあ」

そんなことを考えているうちに、一冊の本に出会いました。「減速して自由に生きる~ダウンシフターズ~」(高坂勝著:ちくま文庫)という、上のようなことを考えている人にはピッタリなタイトルです。

■ダウンシフターズって?

ダウンシフターズとは、何とも素敵な響きに感じますが、本書まえがきを引用すると、以下に定義されます。(原文まま)

経済至上主義から降りることで人間が本来有している幸せと安心の価値に戻り、足るを知る営みになり、分かち合う充足を得る、懐かしいようで斬新な具体的手段です。

要は解釈すると、頑張らず、お金が無くとも、素敵な出会いに溢れて日々健康に行き、楽しく生きる方法です。

良いですね、素敵ですね。本書は、そんな生き方を実現させた1人の男性の人生のノンフィクションです。なので、この本はノンフィクションにカテゴライズさせてもらいました。

■週休3日のダイニングバー

著者は、東京で会社員として働いているうちに、ストレスで苦しくなり、自分の人生に疑問を抱くようになり、思い切って30歳、貯金700万円程度で退職。

そこからキャンプしながら日本一周したり3ヶ月で地球一周して人生を見つめ直し、金沢で料理修行した後、東京・池袋で「たまにはtsukiでも眺めましょ」というダイニングバーを開店。

このお店がまた面白いです。飲食店であれば、「繁盛して忙しい店」を目指すところ、著者の高坂さんが目指すのは「ヒマで繁盛しない店」。

この本の文庫本が出た時には、予想以上の繁盛に困惑し、体を壊す寸前にいったので、なんと思い切って週休3日にしたんだそうです。

今でも食べログとかで調べると土日月休業と書いていますから、週休3日を継続しているようです。

週休3日の居酒屋なんて聞いたことあります?しかも、著者の高坂さんは文庫本が出た当時は、週休4日の構想も打ち出していました。

これは幸福度の高い国で知られるオランダの年間の労働時間は1300時間だから、それを目指すには週休4日にしないと追いつかないというのです。この視点、実に面白い。

■半農半Xな生き方

正直、この本でも紹介されているような半農半X(半分農業で、半分は好きな仕事をして生きていくという生き方)を真似しようとはあまり思いません。

僕はそんなに手先が器用ではないし、手間をかけて何かを作るのが大の苦手なので。

でも、一方でこの生き方に憧れる自分もいました。たしかに自給自足も貨幣経済とのリスクヘッジになります。仮にお金がなくても、どうにかなる。

何より、朝早く起きて太陽を浴びながら農業に携わって食べ物を作っていくというのはたしかに充実感を得られそう。

そして、残りの時間を、僕の好きな執筆活動に充てる。これこそ僕の好きな晴耕雨読そのものの人生です。

うーん、農業も捨てがたいな。農業に特に興味がなくても、そういう気持ちにさせてくれる一冊です。

それと、本書を読んで、「たまにはtsukiでも眺めましょ」に実際に行きたくなってしまいました。

【2015.10.28更新】

というか、先日の東京出張で、東京住んでいる旧友連れて行ってきました。

⇒たまTSUKIのレポートはこちら

【2016.12.30更新】

高坂さんの新著、「次の時代を、先に生きる。~まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ~」の書評を書きました。

【関連記事】仕事でうつになる前に生き方を変える|働き方と暮らしを見直そう

■老後までに8000万円必要と言われるけど

【参考記事】老後の生活費はいくら必要?会社の給料だけで老後に備える危険性

上の記事で書いてあるように、自分が試算してみたところ、総務省の家計調査をもとに、公的年金が破綻すると仮定すると、老後までに最低でも8,000万円を用意しないといけない計算になります。

実はこの試算ですが、そもそも運用利回りが得られるようにして、投資を実践していったり、生活レベルを総務省の家計調査以下にすれば、老後に必要なお金をもっと減らすことができるようになります。

老夫婦2人の月額の生活費27万円というのが、少し多いような気がするからです。もし、本書に書いてあるようなことを実践していけば、さらに生活費を落とすことができて、不安のない充実した人生が送れるような気がします。

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