「相手をありのままに受け入れよう」という言葉を聞いたことがあると思います。これは別記事で書いたように、相手を否定しない、批判しない、拒絶しないという意味と捉えています。
同時に、「自分をありのままに受け入れよう」という言葉もよく聞きます。これも、他人→自分に視点を置き換えただけで、基本的には自分を否定したり、責めたりしないことだと思っています。
ただ、この「相手を受け入れる」ですが、本当に誰に対しても受け止めないといけないのでしょうか?自分を否定したり、批判ばかりしている者、自分に対して毎日ガミガミ言う人、とてもじゃないけど、この人と付き合っていても成功できそうにない人、どう考えても付き合っていて得られるものがなさそうな人に対しても、万遍なく付き合っていなくてはならないのでしょうか?
人間関係の断捨離の対象となるような人にまで、同等に接するのは少ししんどいような気がします。人間の悩みの85%は人間関係と言われていますから、精神的な負担はかなり大きいです。今回、その辺に関していろいろ書いてみたいと思います。
〇自分に嘘を付いていないですか?
「相手を受け入れよう」とか「こういう人でも仲良くしよう」とか思って、逆に苦しくなることとかないでしょうか?
人間関係を良好にする技術は、いろんなビジネス書で書かれていますが、だからといって、誰にでも同等に付き合おうとして、八方美人になっていないでしょうか?
何かとガミガミ言うパワハラ上司、それに逆ギレしてばかりの部下、モチベーションを下げてくるドリームキラー、一緒に行動してもただの時間の無駄になる人、生理的に受け付けない人……。
こういう人にまで「好きなところを見つけよう」とか頑張ってみても苦しいだけです。最初は苦しいの承知で試してみる価値は高いと思いますが、それでも、どうしても接していて辛い人はいます。
そういう人を好きになろう、好きになろうとしても、どんどん自分が辛くなるだけです。
自分を騙してまで良好な人間関係を築こうとしても不可能です。偽ポジティブ(プラスなことを言わなきゃいけないんだと思い込んで無理やりポジティブなことを言う)なんかもそうなんですが、逆にセルフイメージを大きく傷つけてしまいます。
〇「そういう人もいるんだあ」ぐらいに捉える
たしかに、人を真っ向から否定したり批判してはいけないでしょうし、パワハラ上司から怒られて逆ギレしたら、周囲から人がどんどんいなくなってしまうでしょう。自分の世界に引きこもって、孤独になることは避けたいものです。
別に我慢しないでキレてしまえ!!と言いたいわけではなくて、「あ、そういう人もいるんだあ」ぐらいに捉えて、精神的に距離を遠ざけるのが良いのかなと思います。
家庭内の問題であれば、もともと好きだった人との関係なので「相手を受け入れる」ということも可能でしょうが、職場の人間関係は、どうしても「相手を受け入れる」に限界があります。
飲み会で悪口大会してもまったく無意味な浪費なので、これは止めた方がいいですが、あまり積極的に関わらないようにするのは全然良いと思います。仕事の相談以外は話しかけないとか。
少し距離を置いて見ていれば、相手の嫌なところに段々目が行かなくなります。もしかしたら、こういう時に「相手の好きなところ、良いところ」を発見できるのかもしれません。