これまで他の記事でも持ち家を建ててしまうことのリスクについていろいろ書いてきましたが、今回は財産三分法をもとに持ち家のリスクについて考えたいと思います。
この考え方は、以前紹介した橘玲さんの「お金持ちになれる黄金の羽根の使い方2015」にも載っているので、知っている方も多いと思いますが、家を持つということのリスクを分かりやすく掲載しています。
【参考記事】
・お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015|お金の勉強を始める時のおすすめ本
・持ち家と生命保険は経済的自由の敵なのか?「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015」を読んで
持ち家のリスクや、家のほしい人&欲しくない人の心理、財産三文法については、以下を参照してください♪
〇理想的な財産三分法
上の財産三分法の参考記事をもう一度おさらいすると、理想的な財産三分法は、普通預金、有価証券、不動産と均等に三分割された状態です。投資の基本はリスクヘッジですから、当然といえば当然の状態です。
このようにバランスよく分散投資を行いつつも、出来るだけ勝てるようにポートフォリオを組むのが重要です。これは別に徹底的に守りに入れという意味ではありません。いくら大きなリターンを得られそうな案件が見つかったとしても、ガッツリと突っ込んで一括集中投資みたいなことはするな、ということです。
大きなリターンが期待できる案件を何件も見つけ、バランスよく自分の資産に組み込んでいくことが重要です。1個ずっこけても、他で勝てれば問題ないので。
ところで、持ち家の購入を一種の不動産投資と捉えるのであれば、
3000万円の家を買うのであれば最低でも9000万円の資産が必要ということになります。2000万円の家でも6000万円、1500万円の家でも4500万円の資産が必要です。
そう考えれば、持ち家の購入は比較的裕福な人の買い物と言うことができますが、自分と同じくらいの年齢で、4500万円以上の資産を持っている人をほとんど見たことがありません。一方でその割には家を買ってしまう人がとても多いです。こういう人のポートフォリオがどうなるかを以下で示していきたいと思います。
〇多くの人のポートフォリオ
その前に、多くの人のポートフォリオ、特に預貯金が大好きな日本人のポートフォリオは、このように普通預金に一括集中投資した状態です。
さっき書いたように、一括集中投資は本当に怖い方法です。相当な投資のプロ、敏腕ファンドマネージャーのレベルの手腕がなければ、こんなハイリスクのポートフォリオは組まないはずなのですが、なぜか投資を怖がっている人の大半はこのようなポートフォリオを組んで安全と言っているわけです。
普通預金の最大のメリットは流動性です。必要な時にすぐに引き出せます。もちろん株式などの有価証券に比べれば短期的に大きな変動はないので、すぐに中短期的に必要なお金であれば、現金で準備しておくのが良いと思います。
でも、普通預金が必ずしも安全とは言えないのは、最近のスタグフレーションになりつつある現状を見れば、言うまでもないでしょう。現金の数は変わらなくても、その価値はどんどん目減りしていってしまっています。
〇ローンを組んで家を買った人のポートフォリオ
繰り返しますが、一括集中投資は危険なはずなのに、ローンを組んで家を買った人のポートフォリオはこのようになります。
総資産6000万円から程遠いのに、2000万円の家を「買ったぜ~♪」って感じで意気揚々と買ってしまっては、当然の結果です。
普通預金だけのポートフォリオも危険ですが、このポートフォリオはもっと危険です。不動産価値は下落しますし、だからといって住宅ローンの額は変わりません。
橘玲さんの本で書かれているように、これは大きくレバレッジを賭けた投資と一緒ですから、非常に偏ったポートフォリオです。不動産価格と一緒に人生が決まってしまうといっても過言ではありません。
住宅ローンは地縛霊と一緒です。十分な資産がない状態で家を買うと、このように非常にお金に束縛された人生を突き進んでいきます。自由の欲求の高い人の多くが家を買いたがらないのは当然のことです。
繰り上げ返済なんかしてしまったら、さらに最悪です。普通預金の割合がさらに減ってしまい、さらに身動きが取れなくなるからです。家を買ってしまったら最後、進むも地獄、退くも地獄という状態になってしまいます。
家が欲しいのであれば、住宅価格の3倍の資産を持つか、住宅ローンの支払いを投資の利回りで賄える状態にしておく必要があるでしょう。でないと、家を買った時点で未来を決定されてしまいますΣ(゚д゚lll)
家を買いたいのであれば、そうでない人以上にお金に関してシビアになっていく必要があると思います。