熱力学の授業で出てくるエンタルピーとエントロピー、なんだか似ているけれど、実は全然違う用語です。でも、どちらもよく出てくる用語です。
ちなみに、以前別記事で書いた単位換算アプリでも、エンタルピーとエントロピーの項目がありました。
意味が違うのに、何だか似た用語になっているのは、語源が同じような作りだかららしいです。今回は、この兄弟みたいだけど全然違う理系用語について、少し書いていきたいと思います。
この記事の内容
〇エンタルピーについて
どっちかといえば、エンタルピーの方がわかりやすいと思います。
エンタルピーの単位はJですから、一種のエネルギーを表す用語と思っていいです。(J/kgで表すのは比エンタルピーです)
よく状態量なんて表現されますが、簡単な式で表せば、以下の熱力学の授業でよく見る式になります。
エンタルピーH=内部エネルギーU+圧力p×体積V
内部エネルギーは、運動エネルギーとか、位置エネルギーとか、その物質の持つ総エネルギーです。pVは、膨張、圧縮に使われる外部エネルギー、つまり、エンタルピーとは、自分の持っているエネルギーだけではなくて、仕事分も含めた全エネルギーです。
具体的な計算は省きますが、定圧下では、このエンタルピーの変化量が出入りする熱量(エネルギー)に等しくなります。
〇エントロピーについて
少し難しいのはエントロピーです。エンタルピーは総エネルギーのようなものだと思えばいいのですが、エントロピーは乱雑さを表す言葉です。
たとえば、水の中にインクを垂らせば、インクは水の中に広がっていきます。インクは自由に水の中を行き来している状態です。これがエントロピーが高い状態。
しかし、水に浮き輪を浮かべておいて、その中にインクを垂らせば、インクは思うように広がっていかない。これがエントロピーの低い状態。
エントロピーとは自由度を表すものだと思ったほうが良いかもしれません。エントロピーの高い状態が自由、低い状態が束縛。
経済的にも自由で心が解放されていれば、エントロピーの高い人、そうじゃなければエントロピーの低い人で、自分なんかがまさにそういう性格なのですが、欲求の程度の差はあれど、人間は束縛を嫌うので、自由を求めます。
これはエントロピーにも同じことが言えて、自然界では常にエントロピーは小さい方向から大きい方向に向かおうとします。
ちなみに、情報理論でもエントロピーという言葉が出てきますが、これは先に起こる事象の不確かさを示した量です。
天気予報で例えれば、降水確率100パーセントであれば、エントロピーは0、50%であればエントロピーは大きい。そんなイメージです。
コメント
おもいっきり! 。。。。。 間違って教えてる!
修正すべき。
entropyは”崩壊”を是とする。ベクトルが逆だ!