かれこれ1年近く前の話になりますが、結構忘れられないエピソードだったので、紹介する事にします。とある文章術セミナー後に行われたランチ会での話です。メンバーは講師の先生と、私を含めて受講生3名の計4名。
ランチ会の場所はイタリアンのお店。パスタを一品注文すると、無料でドリンクバーが付くシステムです。この記事の主人公となる女性を除き、他の3名はドリンクを取りに行きます。
選んだドリンクを片手に席に戻り、再び4人で会話を始めます。しばらくして、注文したパスタがテーブルに並べられます。ここまでは普通のランチタイムの光景です。
「いただきまーす」そう言って食べようと思った瞬間、参加者のうち1名がとある事に気付きました。
○自然すぎて気付かないけど、さりげない気遣いに驚きと感動
「ナイフとフォークって、もともとここに置かれていましたっけ?」
テーブルの各席に置かれたスプーンとフォーク。イタリアンのお店なので、スプーンとフォークがあるのは当たり前なのですが、言われてみれば、たしかに違和感がある。
間違い探しのように記憶をたどっていくと、このお店には他のレストランと同様、ナイフ、スプーン、フォークは一つのかごの中にまとめて置かれていたのです。だから、一人一人の席にスプーンとフォークが置かれているような光景は、たしかにおかしい。
そう、自分達が席を外しているすきに、ドリンクを取りに行かなかった女性がセッティングして置いてくれていたのです。
スプーンとフォークがあるのは当たり前なので、全然気付きませんでした。
この女性のさりげない気遣いに驚きを感動を覚え、しばらく口がポカンとしてしまいました。この事に気付いた方もすごいと思います。あまりに自然で、当たり前の光景のようでしたから。
自分達に感動を与えた女性は所要があるとかで先に帰られましたが、その後もランチ会はこの話題で持ちきりでした。
○このエピソードから学んだこと
この女性は元キャビンアテンダントで、今はセミナー講師をされているとの事でしたが、とても自然に、人に気付かれないように、人に喜ばれるために行動していると思いました。今回、誰も気付かなかったとしても、気分を害するような事はなかったと思います。(実際に自分は気付かなかったので、この可能性は充分ありました)
「自分にしてほしい事は、まず他の人にしてあげなさい」とか「give&take」とか、「win-win」とか、大人になってから何回も聞くセリフで、自分もそういう人間になるよう、日々成長していきたいと思いますが、あまりに自然に人に貢献できる方がいることに感動しました。
貢献に見返りを求める必要は全くない。そう言った行動を取り続ければ、自然と人は付いてくるだろうなあ、と思いました。
それに、当たり前と思っているが、もしかしたら実は自分のために行動してくれている事に気付かないだけで、感謝している事を忘れている可能性があると思い、ふと過去を振り返りたくなりました。
他人が自分のために、どんな行動をしてくれているのか、自分はもっと他人に興味を持って、貢献するような行動を取っているのか、考えさせられるエピソードでした。
ランチ会終了後、とても暖かい気持ちで帰ったのは言うまでもありません。ありふれた日常でも、ちょっとした工夫と気付きで魅力的な毎日を送れそうな気がしました(^^)