引越しをする際、少しでも「家賃の安いところに住みたい」と思うと同時に、「住民税の安いところに住みたい」と考えることがあります。
これまで会社員で社員寮などに住んでいたが、退職等で初めて賃貸物件を探す際なんかは、家賃が一番気になりますが、一方で住民税も気になったりします。
ある程度仕事場から近ければ、その範囲で住む場所を決めることができるからです。しかし、いろいろ調べてみると、実はどこに行っても住民税は、たいして変わらないことがわかります。
賃貸物件であれば隣同士のアパートで家賃が雲泥の差なんてことは多いですが、隣の市区町村の住民税はたいして変わらないのです。
■住民税の計算式
住民税の計算式は、全国共通で次の通りです。
住民税=(収入-必要経費-青色申告特別控除-所得控除)×住民税率-税額控除+均等割額
計算式の右辺で、住む場所によって違ってくるのが住民税率と均等割額です。この違いが大きければ、住む場所によって住民税が大きく異なることになります。
■住民税ランキングを見てみると
意外な感じもしますが、一番住民税が安いと言われているのが名古屋市です。住民税が一番高いと言われるのが神奈川県横浜市です。
ちなみに住民税率で一番安いのは沖縄県金武市の9.4%です。一番高いのは北海道夕張市の10.5%です。(名古屋市の住民税率は9.7%です。住民税が一番高い横浜市や川崎市でも10.25%です)
均等割額については、青森県青森市が4000円、一番高い神奈川県横浜市と宮城県仙台市が6200円と、これまた大きな差異はありません(名古屋は5300円)。
住民税率はだいたいどこでも10%、均等割額はどこでもだいたい5000円程度で、全国どこでもあまり変わらないと考えて良いでしょう。
当然、上の計算式を見れば、年収によって開きが出てくるのは明白ですが、年収1000万円程度でも、住民税の一番高い場所と安い場所で、年間4,500円程度の差にしかならないみたいです。
■引越しは家賃と仕事場からの距離だけを考える
年収1000万円の高収入でも、年間4500円程度の差でしかないので、住民税を心配して住む場所を考える必要は、ほとんどなくなります。
ガソリン代の安いガソリンスタンドを探し求めて、100kmぐらい運転してしまうようなものです。
つまり、引越しの際に気を付けないといけないのは、家賃と仕事場までの距離になります。
会社員であれば通勤に必要な交通費は出してくれるでしょうが、フリーランスになれば、これがなくなります。なのでフリーランスになれば、家賃と同時に仕事場までの距離も、案外重要な要素になります。
例えば仕事場が東京の渋谷かその周辺として、住む場所が大宮駅近辺とすると、片道550円です。往復で1,100円。この往復が月に20日ほどあるとすると、月額22,000円の負担と、かなり大きいです。住民税の差とか、もうどうでもいいのがわかると思います。
フリーランスとはいえ、仕事場がほぼ固定されている場合は、仕事場から近くて家賃の安い場所を探すことになります。
東京都心の場合は、これが結構難しいかもしれませんが、最近は結構家賃の安いところも増えているので(しかもシェアハウスではなくて)、案外見つかるかもしれません。知り合いに不動産屋さんがいたり、友達に紹介してもらえれば、聞いたりしても良いかもしれません。
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ただ、そもそもフリーランスだと、働く場所を問わず、ほぼノマドワーカーとして働ける人も多いと思うので、そうなれば交通費とか、あまり気にしなくて済むようになるし、そもそも東京に住む必要性も若干低くなってきます。
■気にするなら住民税よりも国民健康保険
【関連記事】国民健康保険の安いところはどこなのか?年収500万円で年間30万円以上の差
住民税より、遥かに自治体によって大きな差があるのが国民健康保険です。なんと、年収500万円でも最大で30万円の差があります。
詳細については、上の記事を参考にしてください。