10分で共感と感動を呼ぶプレゼンの構成|支援者が続出するメソッド

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「心で勝つプレゼン~10分で上司も顧客も共感者になる~」(福島正伸著、WAVE出版)を読みました。

著者の福島正伸さんといえば、今では全国で開催されている「ドリームプラン・プレゼンテーション」(通称ドリプラ)の創設でも知られているため、知っている人もいるかもしれません。

ドリプラは制限時間10分で、自分の事業や夢などを物語の構成で思いっきりプレゼンするイベントです。

会場もどっかの会議室とかではやりません。どっかの大学の何とかホールとか、何百人も入れる会場です。このドリプラのプレゼンの構成をもとに、共感と感動を呼ぶメソッドに書かれたのが本書です。

ドリプラのプレゼンターにとっては教科書的な本になると思いますが、そうでなくとも、何かを人に伝える際に、大きな気付きを得られるのではないかと思います。

■10分の制限時間の理由

まず、ドリプラの制限時間はわずか10分間です。自分の夢や事業のビジョンを語る場としては、決して多いとは言えない時間です。しかし、10分間としたのは理由があります。

10分間であれば見ている人も集中して聞くことができるというのもありますが、敢えて10分としたのは、知恵とアイディアを出し切って伝えたいことを明確にして、それから徹底的に絞り込むのに最適な時間だというのです。

たくさん伝えたいことの中から、10分間の内容に絞り込んでいくのですから、言葉の1つ1つ、プレゼン中に表示される画面1つ1つが凝縮され、魂のこもったものになります。

一切の無駄は排除されます。10分という制約があるからこそ伝え切れることもあると、著書では書いています。なので、ダラダラとした説明っぽい内容は許されません。

実際、僕も青森県のドリプラに関わったことあるのですが、プレゼンターは10分のプレゼンのために、自分の思い描いている未来と事業のアイディア、そして自分の過去をこれでもかというほど洗い出します。

その中から、本当に伝えたいことをピックアップして、プレゼンの構成を考えていきます。その期間はだいたい3ヶ月。本番前日は支援者やスタッフも含めて、ほぼ全員が徹夜の状態です。

プレゼンを作っていく過程でプレゼンターや支援者が涙を流したり、怒りをぶちまけるなんてことは珍しくなく、悩んで苦しみ抜いて、文章が得意な支援者や写真が得意な支援者を巻き込みながら全員でプレゼンを作り上げていきます。

■プレゼンの構成で重要な2つの要素

10分間のプレゼンの構成を考えるに当たって、欠かすことのできない2つの重要な要素があります。それが「感動の物語」と「あきらめない理由」です。

〇感動の物語

ドリプラではプレゼンターの未来を物語仕立てで語っていきます。その時に必要となるのが、夢の共感と人の共感だと言います。

夢の共感は、最高の価値の体験、人をワクワクさせると表現するとわかりやすいでしょう。この状態を自分が、そして聴衆が疑似体験するのです。

どうやって?さも自分がそこにいるかのような物語の世界を、オリジナルの画像と音楽、そして語りで伝えるのです。

そのためには夢をはっきりイメージすることが重要で、映像や音楽も使って五感に訴えて伝えることで聴衆も一緒に疑似体験できるのです。

もう1つは人の共感。これは人に幸せを提供するという感じです。自分の事業に人が幸せになるシーンがあれば事業価値を生み出し、マーケットを創造することができると書いています。

つまり、伝えるべきことは、「あれもできる、これもできる」という機能面ではなく、「こんな風に幸せになれる」という価値ということになります。

〇あきらめない理由

もう1つ、ドリプラの構成で欠かせないのがあきらめない理由です。あきらめない理由とは、その人でなければならない理由です。

あきらめない理由を構成するのは、その人の過去から作られた人生観です。どんなことがあろうとも諦めることができない理由は、その人の過去から形成されると書いています。たしかに、夢を持つには、何かしらきっかけがあります。

過去ですから、楽しい過去だけではありません。辛い過去も自己開示する必要も出てきます。プレゼンを作る過程で涙が出てきたり、怒りをぶちまけたりするのは、こういう過去と向き合うことになるためです。

誰でも嫌な過去には蓋をしたいものですが、それが自分が思い描く最高の未来を作るとしたら、1回くらい蓋を開けても良いのではないでしょうか?

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