今回紹介する本は、ダンケネディの「億万長者のお金を生み出す26の行動原則」という本。
書店に置かれていないことで有名なダイレクト出版の書籍ですが、3,800円と1冊で3冊分の値段にも関わらず、購買意欲がそそられるような内容の本が多いです。
1冊の本で3,800円と言ったら、「高けーよ!!」「辞書か!!」と思ってしまうところですが、なぜかダイレクト出版の本のタイトルはそう思えないのが不思議です。(ちなみに以前はA8.netのセルフバックシステムで実質的に半額で買えた時期がありましたが、今はそのプログラムはなくなりました)
不思議と「2~3時間のセミナーに参加するつもりで買ってみるか」という気持ちになって、買って損した気持ちにならない。で、実際読んでみるとたしかに安価なセミナーに出た以上の価値を感じます。(たまに難しいと感じることもありますが……)
コピーライティングやネットマーケティング系の本も多く、アフィリエイターや作家にもおすすめできるような本がありますが、それはまた後日書評するとして、今回紹介するのは自己啓発書です。
この記事の内容
〇かゆいところに手が届く感じの自己啓発書
というのも、たまたまダンケネディの「億万長者のお金を生み出す26の行動原則」という本を借りたので、読んでみたのです。印象としては、他の成功哲学に書かれた内容と重複する部分もあるけれども、さらにそれを深く掘り下げているような印象です。
たまにありますよね、自己啓発書やビジネス書で、「わかったようなわからないような。これは一体どういうことを言いたいのか、もっと深く掘り下げて欲しい」という気持ちになることが。
そんな気持ちをうまくすくい取ってくれている箇所が結構あったように思えます。また、他の自己啓発書よりも独特で刺激的な表現が多く、印象に残りやすい本だと思いました。その中でも個人的に心に残った部分をシェアしていきたいと思います。
〇適正な値段を付ける
前半、特に本書の始まりの方はお金に対してマインドブロックの強い人向きの内容が多いです。ただ、自分はお金に対するマインドブロックはそんなに強くないと思っているので、少し速読したりもしました。
ただ、マインドブロックがないと思っていたのは、もしかしたら思い込みだったかもしれないと思った言葉がありました。
「料金や価格を2倍から20倍にしたが、それで客を失った試しは一度もない」(P25引用)
思い起こせば、自分も処女作を出版したことがきっかけで講演のオファーを頂くことがありましたが、主催者につい安価な値段を設定してしまいがちでした。
2時間の講演+懇親会という内容なので、さすがに数万円単位を頂けるような内容ではないですが、それでも安い値段を設定して「いや、〇〇さん、さすがにこの値段よりは下げずにいきましょう」と説得されたことがあります。そのアドバイスに従った結果、結局、集客に影響することはありませんでした。
これから収入が多くなって独立する場合ですが、ブログや本の執筆よりも割に合わないようなことに時間を使うことはできなくなると思うので、将来的にかなり重要な考え方と感じました。
〇人の不幸は蜜の味
「人の不幸は蜜の味。ご都合主義で行くのが起業家だ」(P52引用)
ガソリンスタンドの値段を需要の高い週末に引き上げる、治安の悪いスラム街で唯一のコンビニを経営し、商品に、他の遠いコンビニの倍の値段を付ける。
強欲という観念を取り払えという意味で書かれていましたが、個人的には、需要のあるところ、ニーズの強いところを攻めていけ、という意味に捉えました。市場を知ることの大切さは、他の項目でも書いています。
〇ニッチな市場を攻める
「狭い分野であればあるほど、有名になるのは簡単だ」(P82引用)
大成功と言えるほど富を得たわけではありませんでしたが、これは初めて商業出版する時に強く感じました。同時に、お金が手に入る分野でないと意味がないな、というのも痛感しましたが(・・;)
〇結果を新たなチャンスに
「この機会を「新たなチャンス」ととらえ、別の本の宣伝や新たな顧客の獲得につなげるように心掛けている」(P105参照)
これは過去の反省です。本を出して、メディアに取材してもらったり講演の機会をもらったりしましたが、次に繋がらなかった。今後はこのようなことがないよう、一時的な収入に喜んでいるだけでなく、新たなチャンスととらえてビジネスの多角化を図っていきたいと考えています。
単発的な出来事で終えるのではなく、どんどんチャンスを広げていくようにしていきたいと思います^^
〇好きなことをやっていても富は生まれない
上の「人の不幸は蜜の味」でも書いたように、市場のニーズにどれだけ合わせられるか、これを考え抜かなければ、おそらく自分のビジネスプランはいつまでもプランで終わってしまうかもしれません。
「あるべき順序は 市場、市場のニーズ、目的、情熱、お金」(P124引用)
これは本当に腑に堕ちる順番と思いました。情熱だけでは空回りする。人生の目的を考えることは何よりも大事だけど、そこに「誰のために、何のために」というのがなければならないわけです。それが市場のニーズだと思っています。
「好きなことで生きていこう」という言葉をよく聞きます。この考えには同意します。それは好きなことでないと続けられないからです。ただそこに市場のニーズがないと、お金にはならない。奥が深いです。かゆいところに手が届く思いがしたのは、ここの部分です。
〇マーケッターになろうとしない人は成功しない
いくら素晴らしい専門的な技術、例えば小説家であればどんなに素晴らしい文章を書けたとしても、マーケティング戦略がなければ成功しないということです。
他の本にも似たようなことが書いてあったように思いますが、特にこの本では「マーケティングを学ばないと成功しない」と断言しています。
つまり自分なんかは良い小説を書きながら、ブランディングが欠かせないことになります。実はこれも処女作を出版した時に感じた反省点です。
〇力を奪う人ではなく、力を与える人を集める
ストレスの元凶にある環境は非常に有害である。これは同意します。そして、この本では、人間は全部、力を与えるか、力を奪うかのどちらかであり、その中間はないと断言しています。
黒か白か、冷静に見極める能力が必要と書いています。人を切り捨ててばかりいても孤立するだけですが、みんなと仲良く平等に同じ時間を過ごすことはできないので、人間関係にも集中が必要だと思います。
〇3,800円の価値はあるか
「億万長者のお金を生み出す26の行動原則」は、他にもお金に対するマインドブロックや資産の管理の重要性、経済的自立の重要性、目標設定の重要性など、いろんな視点で書かれており、
人によっては印象に残る箇所は違ってくると思います。上にも書いたように、自信満々に断言しているような表現も多く、説得力のある本だと思いました。特にこれから独立しようとしている人(まさに自分がそうですが)が読むには、心が揺さぶられる部分が多いと思います。
自分が今から何を身につけなければならないか、何が足りなかったかを、少し違った視点で気付きを得たい人にはおすすめの本です。