「投資は怖い」という誤解が怖い|財産三分法で考える

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投資が怖い

よく周囲とお金の話をする際に、「投資は怖いからやらない」という言葉をよく聞きます。たしかに「日本人は投資をしたがらない」「日本人は現金預金が大好きだ」という話をよく聞きます。

たしかに個人金融資産の内訳を欧米と比較すると、日本人の現金保有率は50%超と、国際的にも高い水準であることがわかります。リスクを取りにくい高齢者が多い国だからというのもあるかもしれませんが、欧米諸国と比較すると異常に高い水準だと思います。

【参考記事】個人金融資産の内訳を国際比較する|「日本人の現金預金好き」は本当か?

データとしても「日本人の現金預金好き」がある程度実証されているのですが、これは実感としても感じます。何百万、何千万と貯金がありながら、その内訳が全部現金という人も多く見ています。これは個人的にはかなり恐ろしいことだと感じています。

バブル崩壊から始まった長かったデフレ期であれば、これで良かったかもしれません。ところが今の日本の状況はどうなっているでしょうか?物価は上がっているけど給料は増えないスタグフレーションになっていないでしょうか?

物価が上がるということは相対的に現金の価値が下がるということです。全部現金預金にしている人は、指を加えて黙って見ていることになります。「投資をするより、投資をしない方が怖い時代」という表現は、たしかに正しいと思います(最近の証券業界の勧誘の謳い文句になっているような気がするので、簡単に踊らされないように注意が必要です)。

「投資は怖い」という言葉を聞くと、「投資が怖いのではなく、投資に対する知識がないのが怖い」という言葉を思い出します。お金の勉強をしている人なら、一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、まさにこう思います。将来必要となるお金を貯めようと考えるのであれば必須のマインドです。

現金預金だって、立派な投資です(増えないですが)。全額現金預金している人は、普通預金に一括集中投資していることになります。このリスクは最近NHKでも特集された預金封鎖のような、過激な具体例を考えればわかりやすいと思います。

〇財産三分法


人的資本だけに頼れないというのであれば、預金も含めた一括集中投資は危険な行為だという認識が必要です。つまり、財産三分法という、資産クラスを分散する考え方です。

投資に関する書籍やセミナーでは、必ずと言っていいほどこの考え方が紹介されると思いますが、預貯金、有価証券、不動産を三等分してリスクヘッジしなさいということです。円グラフにすると、理想的な資産クラスの分散は、以下のようにきれいに三等分された状態です。

関心のある方は、自分のアセットアロケーションを分析し、どうなっているか把握してみると良いと思います。現金に偏っていれば、ちょっと有価証券の割合を増やそうとか、不動産の割合が少なければ、そろそろ不動産投資を考えるか、といった感じです。

財産三分法

〇財産三分法の注意点


財産三分法でググってみると、財産三分法ファンドという毎月分配型投資信託が結構出てくるのですが、決してこれらを勧めているのではありません。これは自分もやってません。

財産三分法というのはあくまで投資の基本的な考え方であって、魅力的な金融商品の名前ではないです。また、限定的な金融知識だけで投資すると痛い目に遭ったりするので、月並みな言い方ですが、お金の勉強は焦らずじっくりやった方が良いです。

また、毎月分配型投資信託というのは、以前より問題が多く指摘されている投資信託です。毎月分配型投資信託の危険性については、別の記事で^^

もう1点注意点があります。アセットアロケーションは、上の円グラフのようにきれいに三等分されているのが理想ですが、持ち家を買ってしまった人のアセットアロケーションはどうなってしまうでしょうか?もう想像付いている方も多いと思いますが、別記事でこの観点からも持ち家購入の危険性を書いていきたいと思います。

【参考記事】財産三分法で考える持ち家のリスク|多数派ながら実は怖い選択

※なかには「貯金も投資もしなくても良い。自己投資して稼ぐ人間になろうよ」という考えもありますが、その点に関する個人的な考えはこちらをお読みください。ただ、そういう守りより攻め重視のマインドの人にとっては、たしかに投資そのものが不要かもしれません。自分は人的資本を金融資本でヘッジすることで経済的不安からある程度解放されるという考えですが、守りと攻めのバランスをどう考えるかという違いでしかないと思います。

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