「お金は使わなければただの紙切れ。墓場まで持っていけない」「お金は使ってこそ価値がある」なんて言葉をよく聞きます。
まさにその通りと思う反面、勘違いしてしまうと怖い言葉だと感じます。この言葉を鵜呑みにして、本当にお金を使い切ってしまって貯金がほとんどないなんてことがあり得るからです。
■言い訳の言葉
以前、「お金は使えば使うほど回ってくる」という言葉の勘違いはとても怖いという記事を書いたことがあります。
この言葉も、「お金は使わなければただの紙切れ」と同様で、勘違いして無駄遣いしてしまう人が多いと感じているからです。
【関連記事】”お金は使えば使うほど増える”は勘違い|本当の意味を教えます
実際に、これらの言葉を使っている人で、お金が貯まっている人、お金の貯まっていない人両方いると感じます。
お金が貯まっていない人は、「お金は使わなければただの紙切れ」という言葉を言い訳にして、無駄遣いしているのです。
「お金は使えば使うほど回ってくる」は、まだ人のために使えば、自分に返ってくるという返報性の法則についての言葉だと思います。
一方、「お金は使わなければただの紙切れ」はお金を貯め込んで、使うのを恐れて何も行動しない。自分を満たさないという意味合いだと思っています。
たしかに、使うべきところに使わないのはまずいと思います。使うべきところで使わなければ、ずっと貧乏生活から抜け出せないでしょう。
【関連記事】金持ちと貧乏人の倹約の3つの違いに気付かないと一生奴隷で人生が終わる
しかし、だからといって、手元のお金を全部使ってしまって、常に貯金がないような状態にするのはどうかと思います。
■もっと大切なことに使わないのですか?
これらの言葉を言い訳にして、手元にあるお金を全部使ってしまう人には、「将来もっと大切なことに備える必要がある」という観点が抜けています。
将来の希望とか目的とか、そういう観点が抜けています。なので、本来は「使うべきところでは使おう」という意味なのに、どこか刹那的に聞こえてしまうのです。
「将来はどうする気?」という問いに対して、「それはその時に考える」というのが、無駄遣いする人の心理ではないかと思います。
人生のステージによって、必要なお金というのは変わってきます。結婚していれば子供の養育費もありますし、早期退職を目指すなら、早いうちからお金を残しておく必要があります。いきなりお金を貯めるなんて無理です。
手元にあるお金をスッテンテンになるまで使ってしまう人は、将来会社を辞める気はないのでしょうか?子供の教育はどうするのでしょうか?
自分の願望が明確になればなるほど、刹那的なお金の使い方はできなくなるはずです。
これらのお金の格言を、歪んだ形で解釈せずに、もっとお金と真摯に向き合う姿勢が必要なのかなと感じます。
■自由になりたくないのか?
無駄遣いの多い人に言いたいことが、「自由になりたくないのか?」ということです。お金は自由になるための手段です。
常に貯金がないということは、自由がないということです。お金はあればあるほど、貯蓄額が多ければ多いほど自由です。選択肢が増えるからです。
自由って生きるためには必須だと思っています。会社員として働くと、人間関係や住環境、仕事内容に不自由を感じます。この不自由な現実から目を背けてはいけないのです。