会社でも学校でも、なぜ自分たちは人間関係がうまくいかず、粉々に壊してしまうのか?
人間の悩みの85%は人間関係から来ていると言われていますが、「うまくいかないあの人」とみるみる人間関係がよくなる本(青木仁志著、アチーブメント出版)では、なぜ人とうまくいかないのか?人とうまくいくようにするにはどうすれば良いかが書かれています。
「不幸な人はすべて同じ問題をかかえているということが明らかになった。仲良くしたいと思っている人と仲良くできないのだ」(本書P33、及びグラッサー博士の選択理論P21~22)
と書かれているように、職場でも学校でも、身近な人とうまくいっていない人で幸せそうな人は見たことないような気がします。
今回、この本の第1章、「うまくいかない原因は私たちの「間違った常識」にある」から、なぜ我々は人間関係がうまくいかないのかについて、印象に残った箇所をシェアしたいと思います。
■選択理論心理学
アチーブメントの青木社長が書いた本だけあって、選択理論心理学という心理学をベースに書かれた本ですが、選択理論心理学について学んだことがない人でも充分理解できると思います。
この本でも紹介されている外的コントロールや、人間関係を破壊する致命的な習慣については、以下の記事もご覧ください。
【関連記事】人間関係を良くする7つの習慣&悪くする7つの習慣
これを読むと、「あー、たしかに!」と思うのではないでしょうか?たぶん、みんな薄々気付いているのです。
でも、薄々気付くのと、本当に気付くのでは実践するかしないかを分けるので、とても大きな差だと思います。
■他責のメカニズム
本当は自分の人生は自分で選んでいるのに、なぜ自分ではなく他人のせいにしてしまうのでしょうか。
自分の進みたい道とは違っていても親の期待に応えようとしてしまう子ども、経済的に自立できずに夫にしたがわざるをえない主婦、雇用に縛られて会社の理不尽な要求をのまざるを得ない会社員といった立場の人々は、自分を押し殺して生きることで、「自分の人生は他人にコントロールされている」と思い込んでしまいます。
だから、「この不愉快な気持ちはあの人のせいだ」と考え始めるのです。
(中略)
たとえ相手が自分の思い通りに行動させようと何かを矯正してきたとしても、自分の人生の主人公でいたいのであれば、その強制の糸を断ち切る勇気と能力を持っておくことが大切です。
(中略)
「自分の人生の主人公は自分自身」
「自分の人生にとって大切な人だからこそ、もっと親密になろう」
という意識を持ち続けられるかどうか。
効果的なコミュニケーション方法を探す前に、相手と関係を築こうとするための自分の意識が主体的かどうか、しっかり考えることが先決です。(本文まま)
自分自身が主体的になれないということは、相手に興味があるかどうかです。興味のない人と仲良くなれることはありません。
会社の人間関係がうまくいかない人は、そもそも会社の人に興味があるでしょうか?もっと親密になろうと思えるでしょうか?
強制されてYESと言っていることを、自主的にYESと言っていると勘違いすることもあります。しかし、いずれそれは憂鬱とか苦痛とか不安とか恐怖とか、グロテスクな形で気付かされます。
自分自身が人生の選択をしていると気付かぬまま、相手に求めたり不満を募らせてばかりでは、人間関係は破壊されるのです。
■外的コントロールが招く悲劇
自分をコントロールしようとするのではなく、相手を強制しようとする行動を外的コントロールと呼んでいますが、企業で働くほとんどの人は、この外的コントロールのストレスに苛まれています。
会社の人間は外的コントロールを平気で使ってきます。それが続くと、
「いま自分が抱いている感情や行動はすべて強制されているものだ」⇒「こんなストレスを強制する奴は許せない」(一部本文抜粋)
ということになり、外的コントロールのぶつかり合いが起こってしまいます。
これはいずれ殺人や傷害事件などの凶悪な事件に発展することになるとのこと。憎しみがなければ殺人事件は起こりませんからね。
外的コントロール心理学を使う人たちがいるかぎり、根本的な解決策は決して生まれません。そして、権力を持たない人は不幸を抱え続け、暴力などのさまざまな負の行動でそれを爆発させてしまうのです。(本文まま)
【関連記事】人間関係を破壊する3つの怖い考え方|外的コントロールとは?
相手を罰したり、暴力を振るったり、褒美で釣るのは効果がないばかりではなく、有害になる。人間関係を良くする考え方で重要なのは、次の3つと書いています。
・他人と過去は変えられないと自覚する
・これから問題が起きないような選択をする方法を考える
・世間の常識に惑わされない
(原文まま)
これが、自分も他人も傷つけることなく、思い通りの人生を過ごす秘訣とのことです。