今ある幸せに気付くことが大切と言われます。前向きに生きろと言われます。ポジティブ思考になれと言われます。みんなに笑顔を見せて日々感謝しろと言われます。
どれも正解だとは思いますが、これができないからといって落ち込む必要があるでしょうか?生まれてから死ぬまでずっと前向きで明るく生きられる人なんてこの世に存在するのでしょうか?
ほとんどの人は落ち込んだり、怒ったり、悲しんだり、不幸感に苛まれる時期があると思います。「どうして自分だけが」と思って、殻に閉じこもってしまうことも珍しくありません。どんなに人間的に素晴らしい人でも、このような時期を乗り越えて生きているのです。
デール・カーネギーの古典「道は開ける」では、このような不幸感の思い込みから解放されて快活に考え行動するための10のメソッドが紹介されています。
読んだことがある方なら知っていると思いますが、「道は開ける」で引用されている、「今日だけは」というタイトルのプログラムです。
大事なことは、「今日だけは」というところですね。ずっとやろうとするから挫折する。でも、今日たった1日だけでも実践すれば、明日からの人生が大きく変わるきっかけがつかめるかもしれません。
この記事の内容
■今日だけ幸福でいよう
今日だけは幸福でいよう。リンカーンは「たいていの人々は、自分で決心した程度だけ幸福になれる」と言ったが、まったく至言である。幸福は内部から生じる。外部の事柄ではない。(訳書まま)
常に幸福でいようと決心するのは難しいかもしれません。道程が長くて呆然とするかもしれません。でも、今日1日だけ幸福でいることはできないでしょうか?
今日仕事行くのがだるいと感じている会社員へ。今日はそんなに嫌な仕事が待っているのですか?もし、そうではないとしたら、何となく憂鬱な毎日に苛まれているのではないでしょうか?
今日、特に憂鬱に駆られるような出来事が予定されていないのだとしたら、今日1日だけ幸福になることは決心できないですか?
今日が土曜日か日曜日であれば、金曜日までの仕事で嫌な思いをしたこと、または月曜日からの憂鬱を忘れてゆったりと穏やかな気持ちで過ごすのは無理でしょうか?今日1日だけで良いのです。
■今日だけあるがままに受け入れよう
今日だけは、自分自身をその場の状況に順応させて、自分の欲望のためにすべてを順応させることを控えよう。自分の家族も仕事も運も、あるがままに受け入れて、自分をそれに合わせよう。(訳書まま)
他人を変えることはできませんが、他人との関わり方であれば変えることができる。こんな感じの言葉を聞いたことがないですか?
たまには怒ったり、自分の意見を押し通したり、「俺が正しい」と相手を否定したくなることがあるかもしれません。でも、今日1日だけ、相手の状況をあるがままに受け入れてみることはできませんか?
■今日だけ体に気を付けよう
今日だけは、体に気をつけよう。運動をし、体を大切にし、栄養をとろう。肉体を酷使したり、軽視することは慎もう。そうすれば、体は意のままに動く完全な機械になるだろう。(訳書まま)
食事、睡眠、運動……、今日1日だけ、体に良いと言われていることを実践してみませんか?例えば朝起きたら散歩してみるとか、1kmでも良いからランニングしてみるとか。自分に合わない方法、面白くない方法であれば、勝手に辞めていろいろ試してみれば良いのです。
■今日だけ精神を鍛えよう
今日だけは、精神を鍛えよう。何か有益なことを学び取ろう。精神的な無精者にはなるまい。努力と思考と集中力を必要とするものを読もう。(訳書まま)
本を読んでいますか?仕事で何か専門的な知識を得ましたか?経験値が上がりましたか?今日だけでも、何か1つでもレベルアップできたら、自分自身を認めてあげるのも大事だと思います。
■今日だけ誰かに親切にし、気づかれないようにしよう
今日だけは、魂の訓練のために三つのことをしよう。誰かに親切を施し、気づかれないようにしよう。ウイリアム・ジェイムズが教えているように、修養のために少なくとも二つは自分のしたくないことをしよう。(訳書まま)
まず、今日だけでも、特定の人1人で良いから、親切に接してみましょう。相手を思いやることにフォーカスしてみましょう。たった1人、今日だけで良いのです。
そして、将来の自分に役立つとわかっていることであれば、面倒なことやしたくないことでも実践してみましょう。例えば痩せたいなら食べないか運動する、お金を貯めたいなら衝動買いを控えるとか無駄な生命保険を見直すとかしてみましょう。
【関連記事】うつが2週間で治るたったひとつの方法|カーネギーの名著から学ぶ憂鬱防止対策
■今日だけ愛想よくしよう
今日だけは、愛想よくしよう。できる限り晴れやかな顔をし、穏やかな口調で話し、礼儀正しくふるまい、惜しげなく人をほめよう。他人の批判やあら探しを慎み、他人を規制でしばったり、戒めたりすることをやめよう。(訳書まま)
今日だけ、人間関係を壊す習慣を辞めて、人間関係を育む習慣で人に接してみてはどうでしょう?全員とは言いません。それではただの八方美人です。最初はたった1人でも、1回とか10分とかで良いのです。今日だけ、実践してみませんか?
【参考記事】人間関係を良くする7つの習慣&悪くする7つの習慣
【参考記事】人間関係を破壊する3つの怖い考え方|外的コントロールとは?
■今日一日だけを生き抜く
今日だけは、今日一日だけを生き抜くことにして、人生のあらゆる問題に同時に取り組むことをやめよう。一生の間、続けるとしたら、嫌気のさすような問題でも、十二時間ならば我慢できる。(訳書まま)
今日1日だけでいい。人生の問題、悩みに苛まれるのをやめて、何でも良いから何かに夢中になって全力で取り組んでみませんか?
なお、この件に関しては以下の別記事が参考になると思いますが、これも参考にしている文献が「道は開ける」です。
【参考記事】悩みから解放されたいならば忙しく活動してみると良いかも
■今日だけ一日の計画を立てよう
今日だけは、一日の計画を立てよう。処理すべき仕事を一時間ごとに書き出そう。予定どおりにはいかないかもしれないが、ともかくやってみよう。そうすれば、二つの悪癖――拙速と優柔不断と縁が切れるかもしれない(訳書まま)
挫折して放り投げたままになっている手帳がありませんか。その手帳をもう一度開いて、今日1日だけで良い。計画を立ててみればどうですか?
今日1日がワクワクするような1日になることを想像しながら、幸せに生きることを決意しながら書いてみてはどうでしょう。明日からはまた挫折しても、今日だけやってみてはどうでしょう?自分に合わないなら辞めれば良いだけです。
■今日だけくつろく時間を作ろう
今日だけは、たった一人で静かにくつろぐ時間を三十分だけ生み出そう。この時間を使い、時には神について考えよう。人生に対する正しい認識が得られるかもしれない。(訳書まま)
今日1日だけで良い。寝る時間以外に、ぼーっとできる時間、思考できる時間、セルフカウンセリングできる時間を作ってみませんか?
【参考記事】セルフカウンセリングのやり方|簡単な方法で願望を明確化して自分の本質を知る
■今日だけ恐れないようにしよう
今日だけは、恐れないようにしよう。特に幸福になることを恐れたり、美しいものを楽しむことを恐れたり、愛することを恐れたり、私の愛する人が私を愛していると信じることを恐れないようにしよう。(訳書まま)
恐れがなければ幸せです。人間が不幸になるのは、何らかの事象に対して恐れがあるからです。それを今日1日だけ手放してみませんか?今日1日だけの決意が、今後の仕事や人間関係を大きく変えていくことになるかもしれません。
【参考記事】人生を破滅させる人間が陥りがちな4つの怖れのパターン