【書評】アルケミスト|ようやく自己啓発書風小説の古典を読んだ感想

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あるケミスト

最近、自己啓発書風小説、ビジネス書風小説と呼ばれるものを多く読もうと思っています。(小説風のビジネス書ではない。あくまで大衆小説としても成り立っている本のこと)

最近多い系統と思いますが、僕も今年になってこの手の本を読み出したら、面白いですね。物語を通して人生に役立つ考え方が身に付きます。小説家志望の自分にとっては一石二鳥です。

自己啓発書風小説と言わなくとも、お仕事系の小説は昔からヒットする傾向があるので、この手の本を研究するのも大事かと思っています。

ということで、今回は自己啓発書風小説の古典とも言える「アルケミスト-夢を旅した少年」(角川文庫)を読んだので書評を書きたいと思います。

今回初めて読んだのですが、なぜか5年近く積ん読していました。なぜか部屋にありながら触手が伸びなかったんですが、座右の書にしている人も多い本書。せっかくなので読んでみました。

■夢を叶えるまでの原理原則に従った小説

まさに自分の夢、つまりこの物語で言うピラミッドの宝物を手に入れるまでの原理原則が散りばめられています。

「何かを強く望むことが大事」「前兆(たぶん直感のことだと思う)に従うこと」「愛は夢を引き裂くようなことはしない」と、大事なことがワクワクする物語のなかに散りばめられています。

小説でありながら、大事なところは折り目を付けていきます。印象に残った箇所は何度も反復したい。

夢を忘れかけた人たち、困難なことにすぐ諦めそうになる人たちにおすすめしたいです。

少年の追い求める宝物、それは読者自身の夢であり、そのために何をしたらいいか、どういう考え方でいいか、大事な要点がいくつも書かれているので、何かしら印象に残る箇所があるのではないかと思います。

■自分の運命を大事に

「結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ」(訳書まま)

さらに訳すと、これは自分の本当の夢や願望、ビジョンよりも、他人の指標を優先してしまい、それを自分の夢と勘違いするということでしょう。

学歴や職歴、豪邸を持っている人は素敵、外車を乗り回しているのがかっこいい、出世する人は素敵、これはすべて他人が決めた価値であり、自分がどう思うかどうかは別問題です。

でも、人は見栄を張りたくなるし、人の目が気になってしまう。そして、それが自分の願望と勘違いする。そして、そんな間違った夢を叶えた瞬間、それは人生の破滅の始まりとなるのです。

結局、人間は自分の運命に逆らうととんでもない目に遭うのです。幸福になる唯一の方法が自分の運命だけに従うということです。

■新しいことは何もない

「彼は新しいことをたくさん学んでいた。そのいくつかはすでに体験していたことで、本当は新しいことでも何でもなかった。ただ、今まではそれに気がついていなかっただけだった」(訳書まま)

自己啓発書を読んでいると、何かと新しい考えやマインドを求めがちです。でも、新しい考えなんてのは何もなく、自己啓発書というのは、結局昔からある原理原則を人それぞれが解釈した本が並んでいるに過ぎない。

そして、そこで大きな気付きを得るのは、結局自分自身の人生の体験が元になっている。今まで、環境に慣れすぎたりして、それに気付く機会がなかっただけ。

うむ、たしかにそうですね。いろいろ学んでも、結局自分の体験に基づいてカスタマイズして実践しなければ、効果は全然ないのです。

■愛する女

本書で一番印象に残ったのは、主人公の愛するファティマの言葉です。

「あなたは私にあなたの夢を話してくれました。年とった王様のことや、あなたの宝物のことも話してくれました。そして前兆のことも話してくれました。だから今、私は何も恐れません。なぜなら、その前兆が、あなたを私のところへ連れてきてくれたのですもの。私はあなたの一部よ。そしてあなたのいう運命の一部なの」(訳書まま)

独身なのに、いや独身だから自分に響いてしまったのだろうか。結婚するのであれば、ファティマのような女性と結婚したいと思いました。

結婚は決して夢を諦めるものではなく、協力して夢を叶える手段。そんな家庭が築けたら、これほど幸せなことはないかもしれませんね。

恋愛する余裕がなくなってきたら、恋愛に対する欲が萎えてきたら、このファティマの言葉を思い出そうと思っています。

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