ドローン事件の参考になったと言われる天空の蜂を読んでみた

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天空の蜂

東野圭吾氏原作の天空の蜂。原発を舞台にしたテロの話です。2015年9月に映画化されるらしいですが、実は1995年くらいの小説で、意外と20年ぐらい前に書かれた小説です。

古さを感じないのは、この小説が話題になるタイミングが2回ほどあったからのような気がします。

1回目は東日本大震災の時。あれほど原発が日本中で話題になり、連日報道されることはほとんどなかったように思います。

しかし、思ったよりこの小説が話題になるようなことはあまりなかったように思います。原発推進派からも反対派からも評価が高いという話は聞いたことありますが。

2回目は、今年の首相官邸の屋上とかで見つかったドローン事件。天空の蜂がアイディアのもとになったとか言われています。真偽はわかりませんが。

いろんな意味で話題になりやすい小説とは思いますが、そういった話題が一人歩きするのは少しもったいないような気がしました。

それだけ読み応えがあって面白い。そんな小説でした。

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■ハラハラして考えさせられる

東野圭吾氏の小説というと、どちらかというと殺人事件のようなミステリーが多い印象がありますが、これはミステリーというよりは、テロを描いたサスペンスです。なので東野作品としては少し異色な印象。

そして、東野圭吾氏の作品は、個人的には考えさせられるような作品はあまりなかったのですが、これは結構考えさせられる作品です。正直、東野作品の中では、この小説が1番好きですね。

福井県のもんじゅがモデルになっているのは明らかですが、おそらく著者は原発の基本的構造を結構調べたのではないかと思います。しかも、もんじゅ(高速増殖炉)だけでなく、他の一般的な発電用原子炉についてもかなり調べたのではないかと思います。それが読者に伝わってくる感じがしたので、かなり説得力を感じます。

説得力があるだけに、読んでいてハラハラします。原子炉の真上を、ヘリコプターを使って爆弾を投下する。

原発というと、東日本大震災以降の報道を見てわかる通り、世論の目が結構複雑です。必要以上に恐怖感を感じている人も多いですが、これは原子力発電所というのが、あまり世間からイメージされにくいというのもあると思います。

それをこの小説はきちんと問題点として書いている。たしかに原子炉の上に爆弾が投下されれば、チェルノブイリの事故みたいに、と想像する人はいると思います。一方で、実は爆弾が投下されたぐらいで壊れるほど原子炉は脆くは作られていない。

しかも犯人の要求が、国内の原子力発電所を全基停止せよというものです。つまり、原発事故のかなり前に、著者は国内の原発を全部止めても国内の電力は賄えるのか、というテーマに挑んでいたのです。まるで、こういうことが議論される時がやってくることを予想していたかのように。

原発があった場合、なかった場合で人間の生活がどのように変わってくるのか、そんなことまで想像させる作品。

原子力安全とか、必要以上に恐怖を煽っているとか、事故に絶対起きないは有り得ないとか、震災後問われていることを、結構この小説は表現しています。

映画化されるということですが、映画もかなり楽しみです。たぶん、見に行くと思います。もちろん、原作もおすすめです。ラストもまた考えさせられるものになっています。

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